猫は直視できなくなった

Posted on 4月 28, 2017

怖いと言うか気持ち悪い話
細かい会話とかは覚えてないので適当だが……
俺の中学時代からの女友達の話。仮に佳織としておく。 もともと小学校も同じで、五年、六年と同じクラスだったが、話すことなんてなかった。もともと一人でいることのほうが多い子だったと思う。
中学に進んで、同じ小学校から来た奴で同じクラスになったのが佳織ともう一人しかいなくて、席も近かったことから話し掛けたことが、佳織と友人になるきっかけだった。
そのうちもう一人の同じ小学校から来た奴(仮に順一とする)ともよく話すようになり、俺と佳織と順一は三人グループっぽくなった。
佳織と仲良くなってしばらくして、自分の家のこととか話題にしたら、佳織も自分の家のことを話した。
佳織は母方が中部のどこぞの田舎の神社の宮司の家系で、父方は北日本のある地方の豪農(今はわりと落ちぶれているらしい)の出身。
この一族も、行者とかになる人が多かったらしい。
「なんかすげえな。じゃあお前、見えたりするの? 霊とかw」
「見えるよ」
「(……まじかよ)……どんなの見えるの?」
「ふざけて言うことじゃないし……」
佳織はそれ以上話してくれなかった。いつまでたってもその手のことは話さなかったので冗談かなとも思ったけど、ある日冗談ではないことがわかった。
佳織と友人同士になってから何ヶ月かたった二月、バレンタインで俺は別のクラスの女子からチョコレートをもらい、めちゃ嬉しくて佳織や順一に自慢していた。
「やったー。もらっちゃったよ。俺、実は初めてだったりするんだけど」
「いいなー。俺も欲しいよ、ホント」
「あのさ……広志くん(俺の仮名)……それ、食べない方がいいと思う」
「え?」
「ちょっと、やばいと言うか……気持ち悪いよ、それ」
いきなり佳織が変なこと言い出したんで、俺も順一もわけわからんという感じだった。
「え? なにそれ? どゆこと?」
「なんかね、強すぎる。……本人に悪気はないと思うけど、けっこう色々いれて、なんて言うのかな……呪いみたいになっちゃってるよ。体壊すかもしれない」
「はぁ? お前、何言ってるの?」
せっかくもらったチョコレートとそれをくれた人をけなされてるみたいで、俺はちょっと腹を立てて佳織と喧嘩しかけたけど、順一が「まあまあ」と止めてくれて、結局俺の家でチョコレートのうち何粒かを溶かしてみることになった。
十粒くらいあったやつのうち三粒とって溶かしてみたんだけど、ぎょえっという感じだった。
二つからは、ほんの少しだけど、細かく切った髪の毛みたいなものが出てきたのだ。 あとの一つからは特に何も出なかったんだけど、ずっと湯煎して溶かしていると、そのうち変な臭いがしてきた。
「? 何これ? これもなんか入ってるの?」
「……わからないけど、血かな? ひょっとしたら生理のかも。でもそれ以外かも」
俺も順一も気持ち悪くてたまらなかった。 結局チョコレートは、くれた人には悪いけど全部捨てることにした。
佳織は呪いとか言ってたけど、それ以前に体に悪そうなので。佳織は見ただけで中に何か入っているということがわかったわけで、俺も順一も佳織の「見えるよ」を、信用するようになった。
さらにそれから一年ほど経った中学二年の十二月、冬休みの少し前のことだった。 俺と佳織は同じクラスのままで相変わらず結構話してたけど、順一は別のクラスになっていた。
ある日放課後久しぶりに順一と会って話していたら、佳織も昇降口にちょうど降りてきて、三人で帰るかということになった。
俺と順一は適当に話していたけど佳織はあまり話さず、何か様子がおかしいなと思っていたら、順一と途中で別れたとたんに「うえぇっ」と小さく声をだしてうずくまってしまった。
「おい! 佳織! どうしたんだよ!?」
佳織は口をおさえて、涙を流していた。
「どうしよう……広志君……どうしよ。順一君、死んじゃうかも……ぅえっ……」
「は? な、何言ってるんだよ。 ちょっと落ち着け。気持ち悪いんか?」
「どうしよう……」
「どうしようって……何なの、一体?」
「……順一君はやってないだろうから、多分親戚とかだと思うけど……人殺してるよ。ここ最近で。すごい恨まれてる。多分順一君にもまわってきちゃうよ……死んじゃうかも」
「……」
げーげー吐きながら言う佳織の背中をなでながら、以前のこともあり、俺はかなりびびっていた。でもまさかそんな……という気持ちも強かった。たまに通りかかる人が変な目で見てたので、この日は佳織を落ち着かせて帰った。
夜に佳織から電話があった。
「明日、順一君の身につけているものを持ってきて欲しいんだけど……できればシャツとか」
「え? 何に使うの、それ?」
「明日私学校休むけど、広志君、学校終わったら順一君のシャツ持って○○公園(近くの森林公園。さびれてる)に来てくれないかな。絶対に持ってきてね。絶対」
「ああ……?」
何かわからないうちに頼まれてしまったけど、帰りのこともあったし、言う通りにしてみた。
シャツとかなんてどうやって手に入れようかと思ったが、体育着を忘れたことにして借りて、洗って返すということで手に入れた。
森林公園では佳織が待っていて、俺が体育着を持ってきたことを確認すると「こっち」と、林の中につれていった。
ちょっと歩くと、葉の落ちた木がたくさん生えていて不気味だった。さらに不気味なことに、つれてかれた林の中の広場みたいなところに、ちょっと大きめのハンマーとダンボール箱が置かれてて、箱の中から猫(それも複数)の泣き声が聞こえてきていた。
「佳織、何あれ? 猫?」
「うん……」
ダンボールを開けると、猫が四匹(野良猫っぽかったけど、わからん)入っていた。
「ねえ、何するの? 一体」
「……これから、順一君の身代わりを作ろうとおもってるの。……お願い! 手伝って!」
「な、何? 身代わりって? わかんねー」
「大丈夫、すぐ終わるし。広志君に頼むのは簡単なことだから」
とりあえず言う通りにしてみた。言われたことは本当に簡単で、順一の体育着に猫を一匹、着せるようにして包み、地面に抑えるようにしていてくれということだった。
「それで、順一君はここにいるって、強く思って。声に出しながらがいいかな……多分」
「ああ。わかったけど……」
体育着にくるまれてくぐもった声をあげる猫を抑えつけ、言われた通りにした。
「ちゃんと抑えててね」
「え? 佳織、それ……」
俺が猫を抑えると佳織が置いてあったハンマーを持って、いきなり振り上げた。一瞬だった。
ボキャッと嫌な音がして、猫は鳴かなくなっていた。体育着にくるんでいたおかげでどうなっているか見えなかったが、頭のあった辺りがどんどん血に染まっていて、しゃれにならなかった。
「お、おま、何、おえっ! えっ!」
「待って! まだ我慢して!」
俺が吐きそうになっていると、佳織は猫を体育着の中からずるりと取り出して、次の猫をくるんでいた。地面に置かれた死んだ猫は頭が見事に砕けていて、たまに痙攣していて、それが見えてとうとう俺は吐いてしまった。
「お願いだから、おさえてて。順一君のためなんだから」
「む、無理……無理……」
「……じゃあ、さっき言った通り、頭の中で思うことだけやって。あと、目は閉じないでこの体育着をちゃんと見てて」
「わ、わかった……」
俺の見てる前で、佳織は足で猫の前足を踏みつけるようにして抑えつけ、今度は三度、ハンマーを振るった。腹がつぶれた猫が地面に置かれた。体育着から取り出す時に佳織の手には血がついてしまっていた。
さらに次に地面に並んだのは四本の脚を砕かれた猫、またその次も同じで、この二匹は凄い鳴き声を上げても生きていた。
最後の方、俺はもう見ていることが出来なくて、本気で怖くて、佳織に何度か注意されたけど目をそらしていた。
佳織はその後、掘ってあった穴に全部の猫を放り込んで埋めてしまった。(まだ生きてた二匹も)
これは俺も手伝った。
「最後の方、ちゃんと見てなかったでしょ?」
「見れないよ。あんなの意味あんのかよ? やばいって! どう考えても……」
「意味あるよ。……あると思う。手足は上手くいったかわからないけど、頭と体は多分大丈夫になったから」
俺と佳織は森林公園から出ると、ほとんど話さないまま家に帰った。血がしみた体育着は佳織が持ち帰った。それから冬休みになるまで、俺は佳織と口をきかなかった。
別に順一に何の変化もなかったし、あの猫は殺し損というか、佳織は単にやばい奴だったと思ったりした。 猟奇趣味に付き合わされただけなんじゃないかと思った。
でもやっぱり佳織は単に危ない奴じゃなかった。 冬休み中に、順一は父方の実家に家族で里帰りして、火事にあった。
両親と、親戚が何人か亡くなったらしい。妹さんも重体でやばかったけど、命は取り留めた。順一はというと、腕に少し重い火傷を負っただけで済んだ。
俺がこのことを知ったのは冬休みが終わってからだった。 順一は難を逃れた伯父夫婦の家に引き取られることになったけど、さらに二週間位してその伯父さんが遺書を残して自殺。
遺書には人を殺したうんぬんが書かれていて、後日死亡のまま逮捕だか送検だかされた。順一の家の近くに住んでた人で、俺も見知っていただけに、これにはホントに驚いた。
順一はすごいショックを受けたようで、見てるのも気の毒だった。 順一はその数日後、ずっと遠くの親戚に引き取られ、三学期はじまって間もないうちに引っ越していった。
佳織の言っていたことは的中していたわけで、俺は佳織とまた話すようになり、ごめんと謝った。
佳織は別に怒ってないと言ってくれたが、俺の質問には嫌がって答えてくれなくて、一年くらいしてようやくこのとき何をしたのか話してくれた。
なんか、いろいろ祟りとか、呪いの原理(彼女なりの理解だと言っていた)を話してくれた。
要は、思い込みの力らしい。今回は猫を順一の体に見たてて、俺たちがそう思い込むことで祟ろうとしてる奴をだまして、あの森林公園で怨みを受けたことにして、順一本人は助かったと言う。
他にも何か言ってたけど良くわからなかった。というわけで、俺は呪いとか祟りとか、術とかそう言うのは確実にあると思う。実際こういうのを見てしまったわけだし。
俺は「もし俺が死にそうだったら、隠さずに教えてくれ」といって、佳織と友達でいた。それからもいろいろ変な目にあったけど、今も実はかなり仲の良い方の友人かもしれない。
多分、佳織がやばい奴であることに変わりはないんだろうなとは思うが。
あと、猫は直視できなくなった。

昔、10代の時でまだしていい事、悪い事の分別もつかない時の話

Posted on 4月 28, 2017

昔、10代の時でまだしていい事、悪い事の分別もつかない時の話。中学を出て、高校も行かず、仕事もせずにツレとブラブラ遊び回ってた。いつものようにツレから連絡があり、今から肝試しに行こうとなった。
俺は昔から、そういった事は全く信じておらず、怖い物など無いと、言ってのけていた。二つ返事で了解し、ツレが迎えに来て、さっそく肝試しに向かう事になった。場所は割と近い山の中のトンネルだった。
メンバーは血の気が多くリーダーシップのあるTと10代と言うのにすでに威厳のあるMと多少幽霊関係にビビり気味の超絶イケメンSの4人で行く事になった。
皆、霊感何て物は無く、S以外は幽霊何ていないと余裕で心霊スポットに向かっていた。今考えたら、これが間違いだった。
その山までは1時間もかからずに着いた、道中は何も無かったが、山中の丁度カーブ辺りに花が供えてあったのを見て背筋に悪寒が走り、何か忘れてると考えたのを覚えている。
無事にトンネル前の駐車場に着き、トンネルには直接入れない為、駐車場に止めて、そこから四人で歩いて行った。幽霊など信じてはいなかったが、やはり夜中の山道は気味が悪く、嫌な位静かだった。
そんな中無理に盛り上げようとTが崖落ち防止のガードレールを蹴り上げながら、声を張り上げていた。
T「全然対した事無いやろ、暗いだけ」
俺「本当だね、全然対した事無いし、拍子抜けだ」
S「いやいや、充分怖いし、もう帰りたい」
そんなたわいない会話をしながら歩くと、すぐに目的のトンネル前に着いた。息巻いて来たはいいが、トンネルの入口の時点で圧倒される程に嫌な雰囲気だった。
トンネルはまるで侵入者を拒むように、もしくは中にいる者を出さないようにデカイブロックで封鎖されていた。流石に誰が行くと雰囲気にもなれずにタジタジでいると、血の気の多いTが言い出した。
T「お前らビビってる?情けないね、俺が行くわ」
ここで行かなかったらビビり確定、それだけは避けたかった俺は思ってもない事を言ってしまった。
俺「ビビるはずないだろ、俺が一人で行って来るから待っとけ」
本当に後悔した。
T「お前は男だな、ヨシ行け」
この時ばかりはTを恨んだ、本当に零感の俺でもヤバイ雰囲気ムンムンだったから。しかし一回言った事なので後には引けず、ブロックの隙間から一人、吹き抜ける暗闇に侵入した。
いざ入ってたはみたものの、中はずっと続く暗闇、その日暮らしの俺達は懐中電灯など無く、あったのはジッポライターの明かりだけ、その明かりが余計に揺らめいて見え、不気味さを更に強調していた。
トンネル内は天井から水滴が垂れる音以外の音は無く、幽霊なんていないと考える俺でも、奥に向かって、中々踏み出す事も出来ずにたじろいでいた時トンネル外で待つツレが叫んで来た。
T「中はどうだー?」
S「マジでやめた方がいいってー」
M「俺らも行こうかー?」
その声で少し恐怖が消えた俺は「大丈夫、奥まで行ってみるわ」とトンネルの奥に向かい歩き始めた。
いざ歩き始めると恐怖心は余り無く、むしろ何故か懐かしい感覚にさえなったのを覚えている。
そんな違和感を抱えながら、丁度トンネルの半分位に来た時にカーブの時に忘れてた事、妙な懐かしさの正体が何なのかはわかった。
これは話に繋がる事なので詳しい事は後で話す事になります。
怖さは完全に消え、そのまま奥に辿り着き、何も無く、溜息混じりに戻るかと踵を返した時にそれは起こった。
耳元からフゥーっと息を吹きかけるような生温い風が耳にかかる、気のせいと気にせず歩を進めるが10秒おき位にずっと吹きかけられ、流石に恐怖心が蘇った俺は足早にトンネル入口へ向かった。
足早になった辺りから吹きかけられている息が絶えず吹きかけられようになり、恐怖心が絶頂に達した俺は全力で入口に向かって猛ダッシュした。
何とか入口のブロックの隙間からはい出て、耳元の息も無くなり一段落した俺は固まって待っていたツレの所に行こうとした。
俺「スゲーよ、ここは本気でヤバイ、マジで焦ったし、何か耳元で息を…」と俺が言いかけた時に、ツレ達が顔面蒼白で震える声で言った。
T「お前の後ろ、何なんだよ」
M「お前悪ふざけも大概にしろよ、そんなんで出て来たら洒落にならんぞ」
俺は、はぁ?となりましたが、ああコイツら出てきた俺をビビらす為のドッキリだなと思い、少しキツめに「お前らが大概しろって、一人でマジ怖い思いしたんだぞ」と言った所で
Sの様子に気付いてしまいました。
Sが涙目になりながら震えていた…。
幽霊にはビビるが普段は肝の座ってたコイツが演技で涙目になり震えるはずがないと思った俺は何かが確実に後ろにいると思い動け無くなった。恐怖に直立不動で動け無くなった俺はずっとツレに視線を向けていたが、ある事に気付いた、左眼の視線の端に黒い髪のような物が見える。
しかし、恐怖心が勝り、確認出来ずにいた時に急にSが「マジもう無理だ」と言いながら駐車場に向かい走り始めた、それと同時位にTとMも「マジスマン」と言いながら走り出した。
恐怖心はヤバかったが、パニックになりながらもこの状態で一人残される事な方が無理と判断した俺も駐車場に向かい全力で走り出した。本当にビビり上がっていた俺は何度も躓きながらも全力で走ってた。
子供の頃に聞いた、幽霊は光が嫌い、そんな迷信めいた事を考え、駐車場に着き車のライトさえあれば大丈夫だと藁にもすがる気持ちで走り続けていた。
走り続けていた時になって始めて気がついたが、ずっと背後に気配がしていた事、さっきは安堵からかツレばかりに集中して気付かなかった事に気付いてしまった。
この時に後ろにいる何かをもし連れて行ったら車に乗れないかもと考えた俺は確認しないといけないと思った、この時は本当に気が動転していたんだと思う、現在の恐怖心より置いて行かれる恐怖心が勝ってたから。
俺は立ち止まり、意を決して、後ろを勢いよく振り向いた、少しでも怖さがないように自分なりに考えてした事だが、これが本当に失敗だった。
目を見開いた女が俺を凝視していた。
俺はいつも洒落怖を見て本当の恐怖にあったら~を見ていつも本当には違うなとか考える、まぁこれは俺だけかもしれないが、余りの恐怖と驚き等混ざりあった結果なのか、失禁と脱糞を同時にしてしまった。
女は普段よく書かれる貞子の用な風貌ではなく、前髪を上げて、普通にフリルの着いた上着、ジーンズという出で立ちだった、普通なら本当の人間だと思う位普通だった。
だが決定的に違った、目、鼻、口、全てが生きている人間とは違った。
口は所々裂け化膿しているみたいにグチュグチュになっていた、鼻は右の鼻孔から半分以上ちぎれかけている、決定的なのは目だった、黒目の部分と思う部分には無数の光るガラスみたいな物が突き刺さり、涙のように黒い液体が目から滴り落ちていた。
気がつけば俺は何も考えず一心不乱に走り出していた、糞尿を裾から垂らしながら、涙はこぼれ、鼻水を垂らしながら本当に人間として最低辺だと思う姿だったと思う、でも俺が考えれる事は死にたくない、助けて、ごめんなさいを繰り返すしかなかった。
走っている間またあの息を吹きかけられているような音が耳元から聞こえた、それがまた恐怖心を増長させ、何度も転びながらも駐車場に辿り着く事が出来た。
ツレ達は車で待っていた、エンジンをつけライトをつけていた為か俺は助かったと思いながらも全力で車まで走った。俺が車に近づくにつれ、気配は遠くなっていった、後ろに乗ってたTがドアを開けて待っていたので飛び込むように車に乗り込んだ。
そのままタイヤを唸らせながら、全速力で山道を下っていた、俺は震えと恐怖が止まず窓からキョロキョロ女がいないか確認しながらしている横にいるTが話しかけてきた。
T「お前大丈夫だったか?本当に悪かったな、本気であれはヤバ過ぎだったから」
M「本当にスマンな…」
S「マジ申し訳ない、我慢したかったけどあれは無理だった」
どうも最初は俺が逆にドッキリを仕掛けていたと思ってたらしい、あんなの無理だと普通にわかると思うが…
俺「マジ人生終わったと思ったぞ、お前達マジ薄情だと思ったし…まっ俺が逆でも本当に怖いだろうし気持ちはわかるしいいよ」
山を下っているからか安心感が出て、落ち着いてきた俺はツレ達を許し、何気無しに窓から外を見た時に気付いてしまった、丁度花が供えてあるカーブに差し掛かる時に木の上いる何かに…
またパニックになりかけた俺は「早く、早く、飛ばせ」と声を荒げながら何度も叫び、何故か隠れるように座席の足元に座りこんだ。
S「何だよ、本当やめろよ、マジ勘弁してくれよ」
M「何があったんだよ、またいたのか?」
車内はパニックになりかけた時にTが聞きとり辛い程の小さな声で言った。
T「俺も何か見たぞ…木の上に何かいた」
その言葉で車内は完全にパニック状態になり、捕まってもいいと100キロ以上を出し逃げるように帰った。
皆、家で一人になるのを嫌がり、俺も嫌だったので4人でTの家で泊まるようにした、Tの家をいつも溜まり場にしてたし、いつもの流れでもあるが。でもその行為は意味が無く、それはその夜に起こった。
無事にTの家に着いたものの皆寝れずにいて、恐怖心を少しでも払おうと酒盛りを始めました、俺はパンツが汚れていた為風呂を借りてから酒盛りに参加しました。
風呂から上がった時点で皆結構酔いが回っていて、ツレ達はすでに寝入りそうな感じになってました、酒の力は偉大で飲んでいく内に恐怖心は薄れ段々と眠気も来て皆でダゴ寝となりました。
そして夜中にトイレで目が覚め上半身を起こした時背後から気配を感じましたた、それは正しくトンネルで感じた気配だった。
一気に恐怖心が蘇り、金縛りとは違う、恐怖心から動けないでいましたが、まだ酒が残っているせいか気が大きくなり、見た目が怖い位でビビるか!と、わけのわからない根性が沸々と湧いてきて、こうなったら一発殴ってやると、後ろを振り返りました。
やっぱり後悔しました、やはり女はあの時のように後ろにいて、そしてあの時とは違う行動に出ました。急に両手で俺を頬を掴み口を大きく開けて何か言おうとしていましたが、口の中には真っ黒な液体が溜まり喋る度にうがいをしているようにゴロゴロ言って何を伝えたかったのかもわからずに恐怖に動けずにいました。
そんな恐怖が10秒続いた時に気付きました、この女知ってる…
そう考えた時にMが寝返りをうちそれに気を取られた次の瞬間にはもう女はいませんでした。それからは朝まで眠れずツレが起きるのを待ち、起きたツレに夜中の事を話しました。
M「幽霊て動けるんだな、初めて知った、てかいる事自体昨日知ったけど」
T「お前本当にヤバイぞ、憑かれてるんじゃないの?」
俺「多分憑かれてるのかな?てか幽霊知ってる女だった」
T「はぁ?誰なんだよ?」
俺「多分…元カノのU…」
それだけで皆何となくだが理解し察してくれました。
元カノのUはツレと飲みに行った時に知り合った女の子でちょくちょく二人で飲んだりしてる内に仲良くなって付き合い始めた人でした。
しかしUは男女関係が結構激しく浮気でも当たり前にすると噂を聞いたり、実際に男と遊び回ったりしてて、結局は破局となっていました、それからも向こうからは連絡はあっても無視して疎遠になってました。
懐かしいと感じたトンネルも実は酔った勢いで二人で凸した時に二人で行ったからでした、そしてカーブの花はUがそこで亡くなった時の物でした。
疎遠になってからも噂で亡くなったと言う話は聞いていましたが、当時は俺にはもう関係無いと言って、何もしてやれてなかったんです。
T「間違いなくお前怨まれてるな、いくら関係無いって葬式にも出なかったしな」
M「しかし、どうする?やっぱお祓いとかしてもらったが方がいいんじゃないか?」
俺「でも、そんなの全く知らないし、金も無いし…」
S「俺一人知ってるぞ、寺とか神社ではないけど、知り合いが動物に憑かれたとかで、それのお祓いを頼んだ人なら」
俺「マジか?なら頼むから聞いてもらえないか?」
S「わかった、ちょっと待ってろ」
Sは携帯で誰かと話し始め、何やら揉めていたようだが、どうやらOKをもらったようだった。
S「絶対今日がいいって無理言ったが大丈夫だってよ」
俺「本当助かるわ、今から行けるん?」
S「昼過ぎに来てくれって、準備があるらしいから」
そんな準備しっかりする所ならイケるんじゃね、と期待しながら、早めの昼飯を食い、それからその人の家へ向かった
着いてみると普通の一軒家だった。
チャイムを鳴らし待ってると普通にエプロンつけたおばさんが出てきた、まさかこのおばさんじゃねーよな…とか考えてると正しくそのおばさんがお祓いの人だった。
俺はもう無理だな、と思いながらも通された居間で事の次第を詳細にと言われ話した。おばさんは真面目な顔でウンウンと頷きながら聞いてくれた、一通り話を聞いてくれたおばさんが発した一言目はこうだった、仮名にHさんとします。
Hさん「あたしで祓えるかはわからないけど、出来る限りはさしてもらいます、料金は普段の料金いいですか?」
俺「料金取るんですか!?ちなみにいくらに…」
Hさん「経費など含め5万頂きます」
俺「マジですか!?すいません、ローンとか出来ますか?」
Hさん「事が事だし、構いませんよ、急いだ方がいいですし」
どうやら事態は一刻を争う位に緊縛してたみたいでした。
Hさんの見解はこんな感じだった。
元カノUは恐らく、俺を怨んでいる、しかし、それだけではないような気がするから普通にお祓いするんじゃ駄目かもしれない、今回はお祓いではなく、Uの標的である俺から完全に意識を逸らし縁を断ち切る為の物らしい。もっと詳しく話してたがよく意味はわからなかったので要約するとそんな感じらしい。
俺「何か俺がしなくちゃいけない事はあるんですか?」
Hさん「あなたは特にしなくちゃいけない事はありません、しかし周りの友達の力を借りなくちゃいけません」
Hさんは詳しく今回の内容を説明してくれました。Hさんが言うには力を借りるは大袈裟に言ったらしく借りると言うより協力だった。
まず4人でお清めし四方にお札を貼ったHさん宅2階の一室に入り一晩そこで過ごすらしいのだが、俺は一言も発してはいけなく、逆に絶えずツレ達は話し続けなくてはいけないらしい、寝てもいけないらしい。
言葉には言霊があり、その部屋ではUは俺の姿を認識出来ないらしく言葉を発する者しか認識出来ないらしい。そうする事で意識的に俺を探し続けるUの意識から一晩時間をかけて俺を消し、俺はもういないと誤認させUの中の俺を消し、縁を無くしてしまおうという事でした。
T「つまり俺達が絶えずに喋り続ければいいだけ?」
M「なら楽勝じゃね?」
Hさん「確かに喋り続けるだけですが、恐らくUさんから妨害はあると思います、どんな物かはわかりませんし、気を引き締めて下さい」
妨害って…緊張しながらHさん宅で早めに夕食を頂き、皆お風呂に入り体を清め一晩を過ごす部屋に入りました。何て事はない普通の部屋でした、四方、天井、畳みの下のお札さえ無ければ…皆一言も喋らずに夜を待ち指定された時間を待ちました。
Hさんが指定した時間は7時、それまではUを家には入れないようにするし、Hさんもいるようですが7時が来たらHさんは家を出て、Uを家に招きいれなけばならない。極力部外者がいる事を避け意識を完全にそらさなければならないみたいだった。
そして指定された7時が来ました、元々馬鹿の代表みたいな3人でしたし、Hさんから出された普段飲めない日本酒に皆大はしゃぎ、しかし俺は万が一を考え酒はおろか何一つ口にしてはいけないという辛い一晩でした。
ですが、相槌を打つだけでも以外と時間が経つのは早くあっという間に11時に差し掛かろうとしていました、妨害も無くこのまま何事無く一晩過ぎて欲しかったのですがそうは行きませんでした…。
そして時刻が11時を回った辺りでついにUの妨害が始まりました。最初に聞こえたのは廊下を歩く足音、等間隔でペタッ…ペタッという足音でした。皆すぐに気付き一瞬静まりかえりましたが絶えずという言葉を思い出し、また大声で騒ぎ始めました。
その後はラップ音?みたいにバキッカチッと部屋中から音が鳴り始めました。ですが、そこは馬鹿3人です、恐怖より負けられるかと馬鹿な考えが勝ったのか今まで以上に騒ぎ始めました、特にTの騒ぎっぷりは半端じゃなく恐怖より頼もしさを覚えました。
そして、妨害にも負けず必死に騒ぎ続け2時に差し掛かった時に最後の妨害が始まりました。部屋中からさっきの音とは比べられない位まるで思い切り壁を殴り付けるようにガンガン音が鳴り出し、あの嗽のようなゴロゴロの声で「アァ…アァ…ガガ」と叫んでいるのです。
流石に馬鹿3人もこれにはビビり、騒ぎ方も小さくなりこれはヤバイと感じ始めました。音と声は激しさを増すばかりで一向に止まず、全員蒼白になりついに騒ぎが完全に沈黙しました。
俺はああ終わったなと思いましたが時計を見るとすでに5時を回っていました、堪えていた時間が思った以上に長かったらしく日の出が上がり始め一晩は過ぎていました。
そしてHさんが戻り全て終わった事を知り、男ですが大声で泣き叫びました。やっと終わったと皆で安堵の瞬間を迎える事が出来ました。
そして最後にHさんは二度とその山には近づくなと、次は助けられないかもしれないと言い、私はそれを了解しHさん宅を後にしました。
安易な気持ちで肝試しには行ってはいけないと肝に命じる事になる事件でした。二度と肝試しはいきません。
ーーーー後日談ーーーーー
自分的には知らない所の話だし正直関わりたくないし、聞いただけなので詳しくはわからない話でしたが、こっちが本題?元凶?みたいです。
あの一晩から丁度一ヶ月が過ぎようとしていました。お祓いのお金の為バイトを始め中々忙しくしていた時にHさんから急に呼び出しがありHさん宅に行った時にこの話をされました。
俺「こんにちわ、すいませんお金はまだ出来てないです」
Hさん「今回は料金の事で呼んだんじゃ無いから安心していいですよ」
てっきり料金の催促かな?と思っていたが違うみたいで安心したが、あの時の話ならもう関わりたくなかったので嫌な気分になった。
俺「で、話とは何ですか?」
嫌々だが俺に関わりある話だし注意事項なら聞いておかなければならない
Hさん「実はあの時のUさんが少し普通の霊とは違う理由を調べたりしてわかった事が色々あるから一応伝えておこうと思ってね」
幽霊云々自体が元々普通じゃないと思うが…そう思ったが黙って話しを聞いた。
Hさん「あの時はあんな言い方をしたけど、実際Uさんはあなたを怨んだりしてない、むしろ好意がずっとあったと思う」
俺「はい?そんなはずないでしょ、あんな風に憑き纏って妨害して多分殺そうとしてたのに好意とかあるはずないじゃないすか」
実際好意を持った相手にあんな事するとは思えなかったし、幽霊ってだけで恐怖心しかなく、あれが好意からの事だとしても無理だ。
Hさん「そう思っても仕方ないよね、あれはUさんの意思じゃなく、その裏にいる者の意思だから、元が人間かどうかすらわからない物だけどね」
幽霊だけでも、あんな事無かったら信じてすらないのに漫画みたいな話をされても今いち「?」としかならなかった。
Hさん「実は家に来た時点でUさんの意思ではないと気付いてたの…でもね、それをあなたに伝えたらあなたは少なからず可哀相とか同情の気持ちを持つでしょ?それはあの一晩を過ごすなら絶対に持ってはいけない気持ちだったの」
俺「何故駄目なんです?関係あるんですか?」
Hさん「同情心を出せばあなたは助からなかった、Uさんに見つかってたから…あなたの意識を恐怖だけに満たしてUさんから意識を逸らさなければならなかったの」
自分の為だと理解し何となくだが納得したが肝心な事を聞けてない。
俺「Uはあの後どうなったんですか?Uの意思じゃないならなんだったんです?」
Hさん「あなた達が一晩過ごしてる間、私は私の先生の所に行ったの、見てわかる通り私は世間じゃ心霊研究家で通ってるの、私の先生も似たような感じだけど私以上に詳しいし長年この世界にいるから失敗したらの話を聞きにね」
失敗したかもしれないのかよ…
そう思ったが自分達じゃどうしようも無かったから仕方ないと思う事にした。
Hさん「あなた達が行った山だけど、色々な怪談があると思うけど、知ってる?」
俺「はい、カップルの幽霊だったり、婆さんの幽霊だったり色々噂は一通り聞いてます。」
結構有名な所だから噂が絶えないような場所だった、だからか色々話しは聞いていました。
Hさん「実はそういった噂じゃない本当にヤバイものがあの山にはいるって先生から聞いてね、多分それのせいだと聞いたの、詳しくはわからないけど、「禍垂」(カスイ)と言うらしいの」
俺「禍垂?」
正直ついていけなかった、そんな漫画みたいな話されても理解出来ないし、幽霊だけで精一杯だったから。
Hさん「詳しくは本当にわからないの、多分元は人間だけど、いつからいるのか、何の因果で山にいるかも何もわからないの、禍垂も見た目から先生がつけた名前だし、本当の名前もわからない」
俺「でも、俺と何の関係があるんですか、禍垂なんて聞いた事すらないし」
幽霊とは無縁の零感男だったし、そんなの噂すら知らなかった。
Hさん「推測だけどUさんは禍垂に引き込まれたんだと思うの、だからUさんと縁があった、あなたを標的に選んだんじゃないかしら、あなた木の上の人を見たと言ったでしょ、それが恐らく禍垂と思う」
Hさん「あなたは木の上に立ってたと言ったけど、正しくは違うの、両手だけで木に垂れ下がり下半身がない風貌の者なの、だから禍垂…先生は本当に危険だって今回は本当に運が良かったって」
あまり見えなくて本当に良かったと思いました、あの状況ではっきり見えてたら発狂間違いないですから。
俺は頭の整理が全くつかなかったが聞かなければならない事を聞きました。
俺「Uはどうなるんですか?俺は本当に大丈夫なんですか?」
Hさんは少し暗い表情で答えました。
Hさん「正直Uさんはずっとあの山に禍垂に捕われたままになると思う、禍垂を祓えれば違うかもしれないけど、禍垂はまず見つからないし、祓う方が危ないから…」
Hさん「あなたは恐らく大丈夫、でも決してあの山に絶対に近付いたら駄目、禍垂との縁が復縁したら間違いなくあなたは助からないから」
俺は少しの安堵とこれから先報われる事のないUを気の毒に感じながらHさん宅を後にしました。
その後は料金の支払いが終わりそれからはHさんには会わず、例の山にも決して近付いていません。人間は好奇心が強く興味を持ったら止まらない生き物だと思います、ですが決して不用意に噂が立つ場所には近付いてはいけないと思います、思いもよらない結果があるかもしれませんから。

家に帰ったら母親が風邪で寝込んでいた

Posted on 4月 28, 2017

信じてもらえないかも知れない。
でも当人が一番混乱してるんだ。ちょっと長くなるけど聞いてくれないか。
家に帰ったら母親が風邪で寝込んでいた。
甲斐甲斐しく世話をする俺。まあ、飯作ったりぐらいしか出来ないわけだが。
だがものの15分くらいでばっちし母親の風邪を貰ったらしく、遅れて帰ってきた兄に後を任せ早々に自室で横になった。
自慢じゃないが俺は結構風邪はひかない。バカじゃないぞ、多分。
だから可笑しいなあと思いつつもまあ、最近疲れてたし、免疫力が低下したんだろうと差して気にせず悪寒のする身体を布団に包ませた。
眠りにおちる寸前に、変な音が聞こえた。
―――がん、がん、がん。
俺のベットの横には150cmの俺の胸下くらいまでの小さな箪笥がある。
其処を誰かが蹴っ飛ばしていた。がん、がん、がんと。
だが、何故だろうか俺は別段何も思わずにいつの間にか眠りについていた。(気絶してたのかな…)
夢の中で俺は寝ていた。もちろんこれが夢だ、という認識は無かった。 部屋は薄暗く、相変わらず体がだるかった。
というよりどうも体が変だった。何が変かと言うとまるでたった今10kmマラソンでもしてきたように全身がだるく、重かった。
「(…金縛り…?)」
身体は動くが思ったように動かない。だるすぎる。腕を持ち上げても重すぎてすぐにぱたりとベットに落ちる。
俺は当然のようにだるい頭を無理矢理動かしベットの横を向いた。そこに、周囲の色をはるかに超えた真っ黒な何かがあった。
黒、といううよりは闇といった方が正しいのかも。もや。とにかくそういった球体が目先20cmのところにあった。
「(あ…たま?人間の、頭?)」
にい、っと目も鼻もないただのもやが笑った。ように見えた。慌てて飛び上がる夢の中の俺。周りを見渡す。何も無い。
「(何だよ、夢かよ、気持悪い…)」
そしてまた夢の中の俺は眠りについた。まるで気絶するうように。そしてそこでまたもやが。にい。飛び上がる夢俺。再度見回すがやはり何も無い。
「な、ん」
何だいまの、と言おうと思った。でも言い終わる前にまた夢俺は眠ってしまう。
にい。目が覚める。寝る。にい。目が覚める。寝る――――。
何度夢俺は繰り返したか解らない。もう寝てるのかおきてるのかすら解らない。
『危ないよ!!』
10何度目かのもやとの遭遇中に突然俺の頭上から声がした。女の子の声だった。俺よりも若い、子供みたいな。
『禍々しい、そいつ(もやのこと)はこれから質問してくるよ、間違えたら×××だよ(何て言ってたか忘れた;)』
「嫌だ…!助けて!!」
『私はアリス、彼の質問の答えを私が言うから、繰り返して、いい?』
夢俺の頭の中に亜理子、という字が浮かんだ。これでアリス?不思議な名前だ。
「怖い?」
男の声がした。もやだ、と気付いたとき夢俺の背中がすうっと冷えた。
『怖くない、お前は××だ、いない(なんていってたか(ry)』
「こ、怖くない、お前は××だ、いない」
凄く引っかかる質問だった気がする。7.8個質問をしてはアリスなる者も意味の解らないことを返した。
何を言ってたのかは覚えていない。最初と最後だけをなぜか覚えている。ただ、アリスに言われた通り返すとなんていうかな、もやの何かがしぼんだ。
恐怖感と言うか禍々しい感じが。だから俺は全面的に信じちまったんだよ。アリスを。
「私は?」
大分怖くなくなったもやが言った。なんとなくこれが最後の質問だとわかった。
『あなたと、ともだち』
「あなたとともだち」
ぶわ、っと全身の毛が逆立った。萎んでいた恐怖感が急激に膨張した感じだった。にいいい、口も無いのにもやの口が耳元まで裂ける様に笑った気がした。
怖い、怖いとか言うレベルじゃなかった。
『あ、な、た、と、と、も、だ、ち』
もやとアリスが同時に言った。ああ。もやとアリスはイコールだったんだ。決して助けに来たんじゃな――――
夢俺絶叫。絶叫って多分ああいうののことを言うんだと思う。慌てて階下のダイニングに駆け込む。
そこでは母親がキョトンとした顔でサンドイッチを作っていた。おはよう、と笑いながら。
「母さん、怖い、怖い夢見た!!」
「へえ」
「あのな、もやが、違うアリスっていう違うなええと」
「風邪ひいてたからでしょ」
「違うんだって!ちゃんと聞いてくれよ母さん!!!」
母親は怖い話ばかり読んで怖い目にあったと言うのやめてくれる、みたいな。なんか自業自得と言うか、まあ、とにかくサンドイッチ作りを優先していた。
とにかくあまり親身になって聞いてくれない母親に向かってたった今夢の中で見たことを勝手に話す夢俺。
「あ、な、た、と、と、も、だ、ち、って言ったんだよおお!!!」
其処まで話すと母親はしかめっ面をした。気味が悪い夢だね、とでもいうように。半分泣きそうになってる夢俺。怖い話ってさ、誰かに気味悪がってもらえるとなんか安心しない?
信じてもらえたっつうか恐怖が薄らぐ感じ。
母親は夢俺の背後にある冷蔵庫にレタスをとりに行きがてら夢俺の頭を撫でた。
安心して泣き出すおれ。今年18歳。
とりあえず塩をかけてもらおうと背後で背を向けてレタスを探してるはずの母親の方を振り向いた。
絶句した。
母親が口を信じられないくらい縦に、縦に開いて痙攣してた。全身がくがくさせて。そこで夢おれは気付いた。痙攣じゃない。母さんは
笑ってる。
涎を飛び散らせながら、白目を剥きながら、信じられないくらい身体をがくがくさせて、声もなく、音も無く笑い続けてた。
手の中の緑のレタスは指が貫通してぐちゃぐちゃになっていた。
後ずさる夢俺。構わず笑い続ける母親。
目の前に母親はいるはずなのに、耳の後ろ本当に2cmくらいのところから母親の声がした。
『と、も、だ、ち』
風邪を引いていたから、きっと悪い夢を見たんだろう。裏の家では不幸があっておばさんが亡くなったらしいから、それかもしれない。
いや、最近怖い話を読んだからかもしれない。
でも現実の俺が飛び起きたときベットの横の箪笥の下から3段目が飛び出ていた。そして右の、弁慶の泣き所って解るかな、階段上っててぶつけると痛いところ。
其処に何度もぶつけたような痣が出来ていた。
眠る寸前に聞いたがん、がん、がんという音は俺がやっていたのかな。でもじゃ、それを見ていた俺は、一体誰だったんだろう。

これは、警備員のバイトをしていた時に、職場の先輩から聞いた話です

Posted on 4月 28, 2017

これは、警備員のバイトをしていた時に、職場の先輩から聞いた話です。
都内Sデパートが縦に長い建物である事は、先程述べましたが、当然、一人で受け持つ巡回経路は複雑で長いものです。
新人である私が覚えきれているはずもなく、最初の内は先輩と共に異常確認を行います。EVボックスの位置や、火元確認場所、シャッターボックスの位置などその際に念入りに引き継がれ、その後に一人で回るようになります。
そのフロアは、婦人服売り場がメインの場所でした。先輩と2人で回っていると、丁度建物の中程の非常階段付近の防火シャッターの前でおもむろに上を指差して言いました。
「この警報死んでいるから。」そう聞いてもその時の私には『故障かな?』位にしか気にとめなかったのです。
警報には幾つか在りますが、火災報知気(いわゆる煙感)と赤外線の2種類が、そのデパートでは主流でした。
赤外線は、天井張り付いた白濁の半球状のもので、注意してみれば今でも何処のデパートでも見られると思います。
「でも、ドア警は生きているんでしょう?」と私が尋ねると、「あたりまえだ。」と先輩は答えました
非常階段付近には大抵お手洗いがあります。警備巡回時には、不審者が一番潜んでいやすい場所ですので、勿論中を調べます。婦人服売り場だけあって、女子トイレしかなく個室内に人影がないかどうか確認します。
私達は、用具入れを含めて通り一遍確認を行い、その場所を後にしました。私は、その時から先輩の顔色が悪い事に気が付きませんでした。
待機室に戻ったのは深夜3時を少しまわった頃でした。引継ぎ巡回のため遅くなり、他の皆は仮眠室に行っているようで私達2人しか残っていませんでした。
先輩は椅子に腰掛けるなり、私にぽつぽつと話し始めました。
「あのさあ、さっきの警報・・・なんで殺していると思う?故障しているわけじゃないんだ。」
私は、『何を言いたいんだこの人は?』と思いつつ、大人しく「さあ」とだけ答えて先輩の話を促しました。
「ほんというとさ、俺、あそこの女子便所あんなに丁寧に見回ったの初めてなんだ。あそこの便所さ、用具入れの、ほらモップを洗う深くてでっかい
洗面器あるだろ、あそこに以前子供が捨てられていたんだ。」
何でも、ある若い女性が、気分が少し悪くなったので、トイレに駆け込んで用を足したそうです。そうすると、便器にはかろうじて人の形をした赤ん坊があったそうです。
その女性は自分が妊娠していた事など全く気が付いておらず、『最近遅れているなあ、シンナーのせいかな、楽でいいや』位にしか思っていなかったそうで、それを見たときはどうしていいか分らなかったそうです。
その赤ん坊・・・といっていいかどうか分らないほどの未熟児は既に赤黒く変死していました。そのために流産したのでしょう。
女性は流れ出た胎盤と一緒に流してしまおうか、とも考えたそうですが見つかったら、誰かが埋葬してくれるのではという期待から、用具室の洗面器にそれをすくい移し、逃げるようにSデパートを後にしたそうです。
すぐにそれは発見されました。第一発見者は清掃業者のおばさんでした。当然、警察が来ましたが、未熟児の状態では、誰の子供かなんてわかる筈もありません。簡単な現場検証をした後早々に引き上げていったそうです。
発見された日の夕暮れに、警察に本人もまだ子供な年齢の母親が出頭してきました。気になって、戻ってみると騒ぎになっており、どうしたらいいのか
分らなくなって名乗り出たそうです。
女性の年齢が年齢だけに、確認が終わると後は内内で処理され、Sデパートの関係者にも緘口令が敷かれたそうです。
それからだそうです。そのフロアで不思議な事が起ったのは。
事件の夜、夜警に先輩の友人が当ったそうです。その時点では皆も、気味が悪いな、位にしか思っていなかったそうです。
それって普通な感性なのかと思われるかもしれませんが、寒い冬の夜等、前日駅の地下通路を追い出された浮浪者が、朝に外部シャッターを開けると横たわって・・・凍死していた、という事が
年に何度かあります。
変な具合に慣れているのでしょう。先輩の友人も、蛮勇なのか慣れなのかそのまま巡回に出発したそうです
婦人服売り場は、普通に巡回していれば1時過ぎに通りかかります。先輩の友人は、女子トイレの前に来て流石に緊張して通路から辺りを照らしてみたそうです。
店舗内には異常は見られません、が、その人は、何か変な気がしたので、もう一度懐中電灯を向けてみました。そこにはマネキンが置かれているだけです。
「異常なし。」その人は、あえて声を出して確認したそうです。すると、マネキンの瞳が、目頭から目尻に向かってぐるりと動いたそうです。
その人を見据えるように、一斉に他のマネキンも、ぐるりと視線を向けたそうです。背後にあるマネキンの視線までも背中越しに、突き刺すように感じ、その人は体中が硬直して全くその場所から動けなくなったそうです。
『南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・』心の中でひたすら念仏を唱えたそうです。
するとどのくらいか時間がたったのか、不意に体が動くようになり、それまでの硬直のせいか、どっと倒れるようにひざが崩れたそうです。
先輩の友人を突き刺していた視線も感じなくなりました。しかし、体中から
脂汗が染み出して、鳥肌と、遅れて来た震えのせいで満足に立ち上がることがなかなか出来なかったそうです。
膝を突いて通路の床をしばらくじっと見ていると、不意に腰につけた無線の
呼び出しがかかりました。
「場所○○○発報!」管理室からでした。感知器が反応しているという事です。条件反射で無線を手にとり、「発報了解。」とうわずって答えたそうです。
そのお陰かどうか、その人はそのやり取りで、気持ちを落ち着ける事ができ、何とか立ち上がる事ができました。場所は、先輩の友人のいる場所の側、そう、女子トイレ前の感知器です。
もう、マネキンの視線を感じる事はありませんでしたが、目を向ける事ができなかったそうです。
2mほど先にある警報機の解除ボックスの所まで行き、本来なら異常を確認しないといけないのですが、そのまま<解除→再設定>としたそうです。
「発報○○○異常なし」管理室に連絡を入れ、その人は、そのまま足早に立ち去ろうとしました。しかし、一瞬視界の中にはいった店舗の異変を遮る事ができず、 辺りにあるマネキンの首だけが、ぐっぐぐと、女子便所の方に回りだしたのが視界に入ってしまったそうです。
しかも、首の動きとは逆に、瞳だけはその人の方を睨むように動いています。
「場所○○○再発報!」腰の無線が怒鳴っていいますが、動く事ができなかったそうです。
そんな状態が数十分続いたので、管理室では先輩と何人かが借り出され、 様子を見てくることになったそうです。
駆けつけてみると、その人は固まったまま立ち尽くしていて、暗闇でも分る程汗をかき、紺色の制服はじっとりと濡れていました。
先輩はとりあえず警報機を再設定して友人に手を貸して待機所に戻ったそうです。
先輩は、しばらくして落ち着いた友人から話を聞いたそうです。その当時、婦人服売り場のマネキンは、瞳の部分をガラスがはめ込まれた物を使っていました。
普通は、ブラシで描かれているのですが、リース料金も変わらず、チョット豪華に見えるので店内の総てのマネキンをガラス目にしていました。
そのガラスの瞳は、ライトを当てると、視線を向けたかのように見えるのでその見間違いだろう、と友人を慰めたそうです。
警報機の発報は、セットしても10分ほどで又再発報するので、故障だろうという事になり、後日取り替えるまで、解除したままで、その日は終わったようです。
先輩の友人は、何日か休みを取り、気持ちを落ち着かせて再度あの婦人服フロアの夜警に挑んだそうです。きっと、そうしない事には決着が着かなかったのでしょう。休みの間、他の人が巡回しても、特に怪現象はなかったそうです。
警報機は、それまでに何度も新品に取り替えたのですが、夜中になると無闇に発報を繰り返すため、原因不明のまま、デコイ、つまり殺したままになっていました。
先輩の友人が婦人服フロアを巡回したのは、前と同じ1時過ぎでした。気持ちを落ち着かせて、異常確認をしたそうです。今度は、マネキン達は動いていません。
その人は、『やっぱり気のせいだったのか。』と思い、女子トイレの中に入っていきました。そこも特に異常はなかったそうで、外に向かおうとしたとき、それが目の隅に映ったそうです。
女子トイレには壁一面に化粧鏡があり、そのうちの1枚が用具入れの扉を映していました。その、扉が、徐々に透けていくように見えたそうです。
先輩の友人は、横に向いた顔を鏡に向ける事ができず、片方の目で鏡を凝視していたそうです。すっかり扉の透けた用具入れは、白くて大きい洗面器を鏡の前にさらしていました。その中には、溶けたような腕を洗面器の縁に掛け頭とおぼしきモノがゆっくりと立ち上がろうとしているのが見えたそうです。
その人は、凄まじい勢いで先輩達のいる待機所に駆け込んできました。その後の夜警をすっとばして帰ってきたそうです。
流石に、先輩達も気味が悪くなり、そこにいる全員で、その人の残りの巡回経路埋めたそうです。
先輩の友人は、翌日仕事をやめました。そのせいかどうか、マネキンの瞳は、ガラスから再びブラシか、もしくはマネキンそのものを配置しなくなりました。
それまで鍵のなかった用具入れには鍵がつき、警報機は、殺したままになりました。
私は、黙って先輩の話を聞き終わり、「それで、もう何も起きないのでしょう?」と、声をかけると、その時初めて先輩の顔色が真っ青なのに気が付きました。
「いや、わからない。言っただろう?それ以来、俺を含めて誰も夜警であの女子トイレをまともに巡回する奴なんていないからな。」
「でも、今日は何もありませんでしたよ。」私が、そういうと先輩は黙って「そうか、そうみたいだな、おまえには。」といって口をつぐんでしまいました。
私には、その後も、その場所では怪異と呼べるものはありませんでした。 勿論、女子トイレは巡回していませんが。先輩は、私が仕事を辞めるまで、それ以上は話してくれませんでした
私と巡回したその日、先輩は女子便所の鏡を見てしまったそうです。そこには、無数の子供の手の跡があり、それがどんどん鏡に映った先輩のほうへ
移動していくのを。

やっと謎が解けた、原因は”あるもの”を見たからで、それが何かやっと分かった

Posted on 4月 27, 2017

やっと謎が解けた、原因は”あるもの”を見たからで、それが何かやっと分かった。
平成10年9月10日、O県H市にある廃虚に肝試しに行ったのが”こと”の始まりだった。見なかったことにしようという暗黙の了解がいけなかった。。。。。
当時、私とA、Bの私達3人はドライブがてらよく心霊スポット巡りをしていた。問題の場所は、有名なところで多くの人達が連日連夜訪れ、心霊スポットというより何時の間にか一種の溜まり場となっていた。
その建物は2階建で、強盗殺人によって廃虚となったと言われていた。一階には3つの部屋(食卓、応接間、仏壇の置いてある部屋)があり、床にところどころ穴が空いている以外各部屋は全体的にきちんとしていた。
二階には4つの部屋(おそらく子供部屋が2つ、寝室、書斎らしき部屋)があった。事件が起きたのは2階の子供部屋の1つで、パイプベットと床には無数の写真が散らばっており、そこは最も怖い部屋と言われ、肝試しのメインの場所だった。
その日(H10.9.10)は私たち以外に、3つのグル-プが先に訪れており、廃虚の入り口となる細道で何やら騒ぎながら話していた。
私たちが入り口に到着すると、その中の4人(おそらく1つのグル-プ)が寄ってきて、これどう思うかと言って3枚のポラロイド写真を見せてきた。
3枚とも問題の部屋を撮った写真で、2枚は部屋の中で、1枚は窓を外から撮ったものだった。
部屋の中の写真は、曇ったオレンジ光がベット上に写っているものと、その後に撮ったものにはオレンジ光はなく、白い丸い霧が同じところに写っていた。
そして最後に撮った外からの写真には、窓(硝子はない)に撮っている人を眺めている人影のようなオレンジ光が混ざった白い霧が写っていた。
これらの写真を撮ったグル-プが一番先に到着しおり、他の2つグル-プも私たち同様に写真を見せられ、まだ廃虚には入っていなかった。
そして、真相を確かめようというより、霊が見れるかもという期待感が高まり、みんなで行ってみることになった。
到着すると、写真のせいもあって、廃虚には不気味な感じが漂っているように感じだ。全員で11人で、中に入る、外で待つ人を決めている時だった、廃虚の中から3人の小学生ぐらい女子がいきなり笑いながら走り出してきた。
私たちはほとんど同時に叫びビビッタがよく見たら”生きている”女の子達で、そして私たちに”笑いにきたら駄目だよ””赤い毬見つけた教えてね”と不気味で意味不明なことを言ってきた。
私たちの一人が何してるのと尋ねると、一人の子がろれつの回らない早口で”ゆるす許さないの問題じゃなくてきまりだから、アハハハハ”と言ったというより叫んだ。
3人ともかなり様子が変で、しかも深夜1時ということもあり、この達は事件に巻き込まれたんじゃないかと思い、警察に電話しようとしたとき、一台の車がやってきた。
中から中年の夫婦と老婆が降りてきて、私たちのところにやってきた。そして、夫婦は子供達を車にのせ、老婆が私たちに
「あんたら、はやく帰りなさい、ここはいかん、この子達は孫で、可哀相におかしいんだ、夜な夜な抜け出してここに行く、家から3キロあるのに」
あんたら肝試しはいかんよ、わたしは霊は信じないけど、この子らみてると辛くてね、おかしくなる前と顔が他人になってるのよ、かえりなさいよ」
と忠告した。
今思えば、本当に帰るべきだったと後悔しているがあの時は、その忠告が期待感を高め、その好奇心に負けてしまった。。それがいけなかった。。。。。
老婆らが帰った後、写真を撮ったグル-プの一人が自分達が来る前から、あの子達は廃虚のどこかに隠れていたことに気づいた。
隠れる場所といえば、穴のあいた床下か、仏壇の横にある押し入れ、または問題の部屋のベット下。。。。
ともかく、そのことの不気味さと恐怖感を抑えて私たちは6人が部屋の中に入り、5人が外で
万が一のことを考え各車のエンジンをかけたまま待つことになった。
私は中に入ることになった。
階段は一列にならばないと上れない構造で私は前から3番目で、上りながら”こういう場合は、もし霊が出るなら、じわじわりと前触れがあるんだろうな”と勝ってに想像していたが前の二人(男と女)が部屋に入った瞬間男の悲鳴とともにその想像が一瞬に崩れた。。。
私たちは何事かと思い部屋に駆け込んだ。そしたら、女が虚ろな目で仰向けに倒れており、くねくねしながら何か呟いていた。
はじめは小声だったが、いきなり甲高い声で笑い、「きまりだよ、あはは、きまりだから、きりはずしても駄目なの、また行くよ」
と叫びはじめた。
私たちは焦り、女を担ぎ、一目散に部屋から逃げて車に飛び乗った。
みんな無我夢中で自分のつれとは別の車に飛び乗った。私は担がなかった方だが、女と同じ車に乗った。
女の方は半分気を失っている状態で、汗をびっしりかいていた。先頭の車に続き私たちはファミレスに入った。
女はすぐに別の子とトイレに入り吐いた後、気を取り戻した。みんなしばらく放心状態だったが、女がポケットに何か入っていると言った。
それはあの部屋に散らばっていた1枚の写真で、それを見て、みんな凍りついた。日付は1979、11.3で写っていたのは、女子で顔が、廃虚から出てきたあの三人の女の子の意味不明なことを叫んだ方ともの凄く似ていた。
女は写真を見て泣き出した。
女が言うには、部屋に入ったら写真の子がベットに正座で座っており、目が合うとニヤつきながら、立ち上がり飛びついてきて、息苦しくなり、意識が飛んで気がついたら車に乗っていたと。。。
女を落ち着かせた後、写真は一番はじめにきたグル-プ人達が保管することになり、我々は朝になるのを待って、解散した。
肝試し話は、これで終わりですが、後日談が恐怖の始まりでまだ続います。
過去を振り返り反省ししながら、みなさんに話してます。”きまり”が分かった今、朝になるのを待ってみんなで連れて行くつもりです。

ここ1ヶ月くらい前から隣の部屋に女が毎日来ている

Posted on 4月 27, 2017

男は2階建てのアパートに住んでいるのだが、ここ1ヶ月くらい前から隣の部屋に女が毎日来ている。
時間は決まって深夜で、男がちょうど眠りにつく頃に、階段を上るカンカンというヒールの音が聞こえてくる。
毎日必ず女が訪ねてくることを羨ましいと思う反面、眠りをジャマされることに苛立ちを感じていたのだが、ふとおかしなことに気づいた。
その足音は自分の部屋を通りすぎていくのだ。
2階の一番奥の、男の部屋を…。
おかしいと思い始めてから1週間ほど、足音はやはり男の部屋を通り越していた。しかし、あるとき足音が男の部屋の前でウロウロ行ったり来たりし始めたのだ。
毎晩、その足音が聞こえるたびに怖くて目が覚めた。それでも毎日仕事で疲れ切っていて、知らぬ間に眠りについて朝になる。朝、もちろん家の前には誰もいない。
しかし、この間恐ろしいことがあった。その足音が男の部屋に入って来たのだ。
いつものように部屋の前をウロウロしている足音が聞こえていたのだが、ふとドアの前で足音が止まったのだ。
男の心臓はバクバクしていた。
今まで部屋の前で立ち止まったことはない。
「これはヤバイ!」
そう思ったとき、急に身動きできなくなった。
そして次の瞬間、なんと足音が部屋の中に入って来た。
もちろん、鍵もチェーンもかけていて、ドアを開けて入ってきたのではない。だけど、確かに人の気配が部屋の中でするのだ。
足音はさらに部屋の中へと、男のいるところへ近づいてきた。
コツ…コツ…
男は目を瞑ったまま体育座りをして動くことができない。その足音はゆっくりと何かを探すように、ウロウロしている。
震えている男の耳元で声がした。
「ここにもない…」
その直後、男は意識を失ってしまった。翌朝、目が覚めて昨夜の恐怖を思い出していた。
「夢だったのかもしれない。きっと夢だ。疲れていたからな…」
そう自分に思い込ませるしかなかった。
しかし、水を飲みに行こうと台所へ行ったとき、あれは夢でなかったことを悟った。
床には無数の足跡が残っていたのだ。

以前、つきあってた彼女に聞いた話

Posted on 4月 25, 2017

以前、つきあってた彼女に聞いた話。
小学校4or5年生くらいの頃、夜中に枕もとに気配を感じ目を覚ますと白装束に狐の面(よくお稲荷さんなんかにある白地に赤や金で目鼻が描かれたもの)を被った何者かが立ってこちらを見ていたそうです。
何をするわけでもなくじっと見つめるだけのその何者かは、確かに人の形はしていたものの明らかに人間ではないのがはっきりと判った(ソースは本人にも不明)といいます。
恐さでたまらず泣き出すと隣の部屋からお母さんが来て「シッ!シッ!でていきな!!」(ワラタ)と猫や犬を追い払うそぶりをすると黙って消えたそうです。
後日お母さんにその夜の事を聞くと「あぁ?ありゃ狐だYo!」とあっさり流されそれ以上聞かなかったそうです。

幼い頃に体験した、とても恐ろしい出来事について話します

Posted on 4月 22, 2017

幼い頃に体験した、とても恐ろしい出来事について話します。
その当時私は小学生で、妹、姉、母親と一緒に、どこにでもあるような小さいアパートに住んでいました。
夜になったら、いつも畳の部屋で、家族揃って枕を並べて寝ていました。
ある夜、母親が体調を崩し、母に頼まれて私が消灯をすることになったのです。洗面所と居間の電気を消し、テレビ等も消して、それから畳の部屋に行き、母に家中の電気を全て消した事を伝えてから、自分も布団に潜りました。横では既に妹が寝ています。
普段よりずっと早い就寝だったので、その時私はなかなか眠れず、しばらくの間ぼーっと天井を眺めていました。
すると突然。静まり返った部屋で、「カン、カン」という変な音が響いだのです。
私は布団からガバッと起き、暗い部屋を見回しました。しかし、そこには何もない。
カン、カン
少しして、さっきと同じ音がまた聞こえました。どうやら居間の方から鳴ったようです。
隣にいた姉が、「今の聞こえた?」と訊いてきました。空耳などではなかったようです。もう一度部屋の中を見渡してみましたが、妹と母が寝ているだけで部屋には何もありません。
おかしい・・・確かに金属のような音で、それもかなり近くで聞こえた。姉もさっきの音が気になったらしく、「居間を見てみる」と言いました。
私も姉と一緒に寝室から出て、真っ暗な居間の中に入りました。そしてキッチンの近くから、そっと居間を見ました。
そこで私達は見てしまったのです。居間の中央にあるテーブル。いつも私達が食事を取ったり団欒したりするところ。そのテーブルの上に、人が座っているのです。
こちらに背を向けているので顔までは判りません。でも、腰の辺りまで伸びている長い髪の毛、ほっそりとした体格、身につけている白い浴衣のような着物から、女であるということは判りました。
私はぞっとして姉の方を見ました。姉は私の視線には少しも気付かず、その女に見入っていました。
その女は真っ暗な居間の中で、背筋をまっすぐに伸ばしたままテーブルの上で正座をしているようで、ぴくりとも動きません。
私は恐ろしさのあまり足をガクガク震わせていました。声を出してはいけない、もし出せば恐ろしい事になる。
その女はこちらには全く振り向く気配もなく、ただ正座をしながら私達にその白い背中を向けているだけだった。
私はとうとう耐え切れず、「わぁーーーーーっ!!」と大声で何か叫びながら寝室に飛び込んだ。
母を叩き起こし、「居間に人がいる!」と泣き喚いた。「どうしたの、こんな夜中に」そう言う母を引っ張って居間に連れていった。
居間の明りを付けると、姉がテーブルの側に立っていた。さっきの女はどこにも居ません。テーブルの上もきちんと片付けられていて何もありません。
しかし、そこにいた姉の目は虚ろでした。今でもはっきりと、その時の姉の表情を覚えています。
私と違って彼女は何かに怯えている様子は微塵もなく、テーブルの上だけをじっと見ていたのです。
母が姉に何があったのか尋ねてみたところ、「あそこに女の人がいた」とだけ言いました。
母は不思議そうな顔をしてテーブルを見ていましたが、「早く寝なさい」と言って、3人で寝室に戻りました。
私は布団の中で考えました。アレを見て叫び、寝室に行って母を起こして、居間に連れてきたちょっとの間、姉は居間でずっとアレを見ていたんだろうか?
姉の様子は普通じゃなかった。何か恐ろしいものを見たのでは?そう思っていました。
そして次の日、姉に尋ねてみたのです。
「お姉ちゃん、昨日のことなんだけど・・・」
そう訊いても姉は何も答えません。下を向いて沈黙するばかり。
私はしつこく質問しました。すると姉は、小さな声でぼそっとつぶやきました。
「あんたが大きな声を出したから・・・」
それ以来、姉は私に対して冷たくなりました。話し掛ければいつも明るく反応してくれていたのに、無視される事が多くなりました。
そして、あの時の事を再び口にすることはありませんでした。あの時、私の発した大声で、あの女はたぶん、姉の方を振り向いたのです。
姉は女と目が合ってしまったんだ。きっと、想像出来ない程恐ろしいものを見てしまったのだ。そう確信していましたが、時が経つにつれて、次第にそのことも忘れていきました。
中学校に上がって受験生になった私は、毎日決まって自分の部屋で勉強するようになりました。
姉は県外の高校に進学し、寮で生活して、家に帰ってくることは滅多にありませんでした。
ある夜、遅くまで机に向かっていると、扉の方からノックとは違う何かの音が聞こえました。
カン、カン
かなり微かな音です。金属っぽい音。それが何なのか思い出した私は、全身にどっと冷や汗が吹き出ました。
これはアレだ。小さい頃に母が風邪をひいて、私が代わって消灯をした時の・・・
カン、カン
また鳴りました。扉の向こうから、さっきと全く同じ金属音。私はいよいよ怖くなり、妹の部屋の壁を叩いて「ちょっと、起きて!」と叫びました。
しかし、妹はもう寝てしまっているのか、何の反応もありません。母は最近ずっと早寝している。
とすれば、家の中でこの音に気付いているのは私だけ・・・。独りだけ取り残されたような気分になりました。そしてもう1度あの音が。
カン、カン
私はついに、その音がどこで鳴っているのか分かってしまいました。そっと部屋の扉を開けました。真っ暗な短い廊下の向こう側にある居間。そこはカーテンから漏れる青白い外の光でぼんやりと照らし出されていた。
キッチンの側から居間を覗くと、テーブルの上にあの女がいた。幼い頃、姉と共に見た記憶が急速に蘇ってきました。
あの時と同じ姿で、女は白い着物を着て、すらっとした背筋をピンと立て、テーブルの上できちんと正座し、その後姿だけを私に見せていました。
カン、カン
今度ははっきりとその女から聞こえました。その時、私は声を出してしまいました。何と言ったかは覚えていませんが、またも声を出してしまったのです。
すると女は私を振り返りました。女の顔と向き合った瞬間、私はもう気がおかしくなりそうでした。
その女の両目には、ちょうど目の中にぴったり収まる大きさの鉄釘が刺さっていた。よく見ると、両手には鈍器のようなものが握られている。
そして口だけで笑いながらこう言った。
「あなたも・・・あなた達家族もお終いね。ふふふ」
次の日、気がつくと私は自分の部屋のベッドで寝ていました。私は少しして昨日何があったのか思い出し、母に、居間で寝ていた私を部屋まで運んでくれたのか、と聞いてみましたが、何のことだと言うのです。
妹に聞いても同じで、「どーせ寝ぼけてたんでしょーが」とけらけら笑われた。しかも、私が部屋の壁を叩いた時には、妹は既に熟睡してたとのことでした。
そんなはずない。私は確かに居間でアレを見て、そこで意識を失ったはずです。誰かが居間で倒れてる私を見つけて、ベッドに運んだとしか考えられない。
でも改めて思い出そうとしても、頭がモヤモヤしていました。ただ、最後のあのおぞましい表情と、ニヤリと笑った口から出た言葉ははっきり覚えていた。私と、家族がお終いだと。
異変はその日のうちに起こりました。私が夕方頃、学校から帰ってきて玄関のドアを開けた時です。
いつもなら居間には母がいて、キッチンで夕食を作っているはずであるのに、居間の方は真っ暗でした。電気が消えています。
「お母さん、どこにいるのー?」
私は玄関からそう言いましたが、家の中はしんと静まりかえって、まるで人の気配がしません。
カギは開いているのに・・・掛け忘れて買い物にでも行ったのだろうか。のんきな母なので、たまにこういう事もあるのです。
やれやれと思いながら、靴を脱いで家に上がろうとしたその瞬間、
カン、カン
居間の方で何かの音がしました。私は全身の血という血が、一気に凍りついたような気がしました。
数年前と、そして昨日と全く同じあの音。ダメだ。これ以上ここに居てはいけない。恐怖への本能が理性をかき消しました。
ドアを乱暴に開け、無我夢中でアパートの階段を駆け下りました。一体何があったのだろうか?お母さんは何処にいるの?妹は?
家族の事を考えて、さっきの音を何とかして忘れようとしました。これ以上アレの事を考えていると、気が狂ってしまいそうだったのです。
すっかり暗くなった路地を走りに走った挙句、私は近くのスーパーに来ていました。
「お母さん、きっと買い物してるよね」と一人で呟き、切れた息を取り戻しながら中に入りました。
時間帯が時間帯なので、店の中に人はあまりいなかった。私と同じくらいの中学生らしき人もいれば、夕食の材料を調達しに来たと見える主婦っぽい人もいた。
その至って通常の光景を見て、少しだけ気分が落ち着いてきたので、私は先ほど家で起こった事を考えました。
真っ暗な居間、開いていたカギ、そしてあの金属音。家の中には誰もいなかったはず。アレ以外は。
私が玄関先で母を呼んだ時の、あの家の異様な静けさ。あの状態で人なんかいるはずがない・・・
でも、もし居たら?私は玄関までしか入っていないのでちゃんと中を見ていない。ただ電気が消えていただけ。
もしかすると母は、どこかの部屋で寝ていて、私の声に気付かなかっただけかもしれない。何とかして確かめたい。そう思い、私は家に電話を掛けてみることにしたのです。
スーパーの脇にある公衆電話。お金を入れて、震える指で慎重に番号を押していきました。
受話器を持つ手の震えが止まりません。1回、2回、3回・・・・コール音が頭の奥まで響いてきます。
『ガチャ』
誰かが電話を取りました。私は息を呑んだ。耐え難い瞬間。
『もしもし、どなたですか』
その声は母だった。その穏やかな声を聞いて、私は少しほっとしました・・・
「もしもし、お母さん?」
『あら、どうしたの。今日は随分と遅いじゃない。何かあったの?』
私の手は再び震え始めました。手だけじゃない。足もガクガク震え出して、立っているのがやっとだった。
あまりにもおかしいです。いくら冷静さを失っていた私でも、この異常には気付きました。
「なんで・・・お母さ・・・」
『え?なんでって何が・・・ちょっと、大丈夫?本当にどうしたの?』
お母さんが今、こうやって電話に出れるはずはない。私の家には居間にしか電話がないのです。
さっき居間にいたのはお母さんではなく、あのバケモノだったのに。なのにどうして、この人は平然と電話に出ているのだろう。
それに、今日は随分と遅いじゃないと、まるで最初から今までずっと家にいたかのような言い方。
私は電話の向こうで何気なく私と話をしている人物が、得体の知れないもののようにしか思えなかった。そして、乾ききった口から何とかしぼって出した声がこれだった。
「あなたは、誰なの?」
『え?誰って・・・』
少しの間を置いて返事が聞こえた。
『あなたのお母さんよ。ふふふ』
次の日、姉と一緒に戻りました。
–その後–
以前このスレで『カン、カン』という話を投稿した者です。あれから8年近くもの月日が経ちました。またも恐ろしい出来事がありましたので、皆様にお伝えします。
拙い文章であることに加え、前回の話を読んでいない方には少々伝わりにくいかもしれませんが、ご了承下さい。
現在、私の実家のアパートには母と妹が住んでおり、2つ上の姉は実家からだいぶ離れた場所で就職し、私は隣県の大学に通いつつ一人暮らしをしています。
父は単身赴任で、8年前と変わらず全国を転々としています。
去年の冬、久しぶりに実家から連絡があり、母から『家に戻ってきなさい』と声を掛けられました。
私はとにかく家に帰るのが嫌で、せっかくの休日をあのおぞましい場所で過ごしてたまるものかと思い、母の誘いを毎年頑なに断っていました。
しかし、今年は滅多に戻ることのない姉と父が帰ってくることもあり、母の怒声にも押され、
卒論を間近に控えつつも、しぶしぶ帰省することにしました。
恐ろしい目にあった家に再び戻ることにも抵抗は十分にあったんですが、実はそれよりも怖いことがありました。
母には申し訳ないことなのですが、母と対面するのが何よりも怖かったのです。かつて母と電話越しで会話をした時、母が明らかにおかしな様子だったのを今でも覚えています。
母の声なのに、母じゃないモノと会話をしていたあの瞬間。今でも忘れられません。
・・・とはいえ、全ては過去のこと。
アレを見た後でも、私の身の周りでは特におかしな事はなく、幸運なことに、家族の中で病気をしたりケガしたりする人もいませんでした。
姉も妹も元気そうにしてるし、母も父もここ8年で変わったことはないようです。もはやあの『家族がお終い』という呪いの言葉だけではなく、白い着物姿の女を見たことさえも夢だったのではないか、と思い始めていたところでした。
耳にこびりついているあのイヤな音だって、いつかきっと忘れるに違いありません。絶対に大丈夫!!と自分に強く言い聞かせ、私は実家に向かいました。
帰省を避けていた本当の理由を母に悟られないよう、せめて実家にいる間は明るく振舞おうと心に決めていました。
家に帰った私はほっとしました。
父も母も、妹も姉も元気そうで、久しぶりに帰省した私を見て、
「卒業は大丈夫なのか」「彼氏はできたのか」などと、お約束のお節介を焼くのでした。
あれほど気にしていた母も変わった様子はなく、ホテルの清掃業のパートで日々忙しいとの事でした。
しかし、姉に話しかけることだけは気まずく、躊躇われました。その理由は、8年前のあの出来事があってから、姉は私のことを今日まで徹底的に無視し続けたからです。
幼い時、あの真っ暗な居間で、私が大声で叫んだことが絶交のきっかけに違いなく、私に対する姉の冷たさは尋常なものではありませんでした。
そんな姉が実家で発した言葉に私は耳を疑いました。
「あんたのこと、ずっと無視しててごめん」
まさか、かれこれ8年も無視されていた姉から、謝罪の言葉があるとは思わなかった。
「私こそごめんなさい。でも、突然どうしたの?もしかして、何かあった?」
驚きのあまり、聞かない方がよい事まで聞いてしまったような気がしました。姉はどこかぎこちない表情を浮かべましたが、昔使っていた姉と私の共用部屋に私を招いて話をしてくれました。
「あたしのうちでね、あの音が聞こえた」
『あの音』という言葉を聞いただけで、私は何かひんやりとしたものが背筋を伝うのを感じました。
姉はそんな私の様子を見てから話を続けました。
「あの日、仕事から帰ってきたのが夜9時頃。で、部屋でテレビ観てたんだけど、風呂場のほうでカン、カンって。
ちっちゃい頃、あんたと一緒にその音を聞いたことがあったから、すぐに分かったよ。これはやばいって。
近くに同僚が住んでたから、ソッコーで家を出て、その友達のところに行ったの。その友達んちで話をしてたら、また風呂場のほうからカン、カンって。おかしな鉄の音だった。
 
友達も私もパニックになって、部屋を出て警察を呼んだ。結局風呂場には何も無かったし、一応部屋も調べてもらったけど何もなかった」
姉の話は、8年前の忌まわしい記憶を完全に蘇らせました。あの時の出来事は今でも忘れられません。
真っ暗な居間。テーブルに座る女。カン、カンという金属音。振り向く女。おぞましい顔。
何の前触れもなく聞こえるあの音は、自分をしばらく極度の金属音恐怖症にさせるほどおぞましいものでした。
音楽が流れる場所では、カウベルや鈴のような音が鳴らないかヒヤヒヤし、台所のフライパンや鍋の発する金属音に耳を塞いで怯え、遠方に向かうときは、踏み切りのある道路を避けねば移動もままならない・・・。
ただ姉の話には、8年前とはいくつか違う点がありました。白い着物姿の女を見ていなければ、声も聞いていない。聞こえたのはカン、カンという不気味な音だけ。
しかも、場所は風呂場。私は居間のテーブルの上にアレが正座している姿は知っているが、風呂場だなんて・・・。
本当にアレだったんだろうか・・・そう姉に問い掛けようとした時、突然姉はぼろぼろと涙をこぼし始め、泣き出した。
私はうろたえながらも、「まだアレだって決まった訳じゃ・・・」と姉をなだめようとしました。
すると姉は泣き顔のまま私の顔を睨み、
「あんた、お母さんのこと、美香(妹の名前)から聞いてないの?」と、凄みのある声で迫ってきました。
お母さんのこと?妹から?話の方向が見えず当惑しました。今さっきだって、母の作ったおいしいビーフシチューをいただいたばかりだった。
母の様子に何もおかしいことなんてなかったし、妹も普段通りだったように見えた。
焦りを隠せない私に向かって、姉は涙を拭いながら言いました。
「時々、夜中に家をこっそり出ていくんだって。詳しいことは美香に聞いて」
ただならぬ姉の話を聞いて、私はすぐ妹の部屋に行き問い質しました。
「お母さんが夜に外に出てるって、どういう事?」
「ああ、おねえに聞いたんだね。本当なんだよ。何なら一緒に見る?」
その夜、私は妹の部屋に入れてもらい、妹のベッドの隣に布団を敷き、ぼんやりと天井を眺めながら時間が経つのを待ちました。
妹の話では、母が家を出る時間は大体決まっていて、1時過ぎ頃に家を出て、10分程度で帰ってくるとの事でした。
最初、母の外出に気付いた妹は、気分転換がてら外にタバコを吸いに行っているものと思ったらしく、特に気に留めずそのまま寝ていたらしい。
しかし、雪が降るほどに寒くなってからも母の外出は続いた。そのことを母に聞くと、「何のこと?」という反応。
とぼけている様子もなく、自分が深夜に外出していること自体、全く自覚がなさそうだというのだ。不審に思った妹は、母の後をこっそりつけたのでした。
「そろそろだよ」
妹が言うと、私は耳を澄ませた。すると間もなく、ドアを一枚隔てた廊下側で何やら人の気配がした。
ガサ、ガサと玄関の辺りで物音が聞こえた。おそらくブーツを履いているのだろうと思った。そして、キイという音とともに、コッコッコッという足音。間違いなく今、外に出た。
私と妹は顔を見合わせ、なるべく音を立てないようにドアを静かに開け、忍足で玄関に行った。鍵は掛かっていなかった。妹は注意深くドアノブを握り、そっとドアを開けた。
真っ暗な路地。街灯と月明かりだけが頼りだった。母はどこに行ったんだと妹に聞くと、驚いたことにすぐ近くにいるという。嫌な予感がじわじわとしていた。
家から100mほど進んだところ、路地を照らす街灯の下に母はいた。母は電柱の周りをぐるぐる回っていた。
散歩のようにゆったりと歩くようなペースではなく、かなり速いはや歩き。あるいは駆け足のようなものすごいスピードで、ぐるぐるぐるぐる回っていた。
昼間に見せてくれていたような、朗らかで優しげな表情は今やどこにもなく、遠目に見ても、般若のような鬼の形相にしか見えなかった。
あまりの恐ろしさに呆然としていると、妹は「もう帰ろう」と促すと同時に、「たぶん、あと10分くらい続くから、あれ」と付け加えた。
ものすごく怖かった。母の異常な姿を目の当たりにして、私はようやく事の重大さに気付き始めた。
『あなたも、あなた達家族もお終いね』
今頃になって、あの女のおぞましい言葉が頭の中で繰り返されました。
妹よりも一足早く家に帰ってきた私は、居間の電気をつけようと壁を探りました。大体この辺にスイッチがあったのに・・・そう思いながら手探りしていると、指先に角ばったプラスチックの感触が伝わった。
それとほぼ同時に、真っ暗な空間でカン、カンという音が響き渡った。あっ、と思った時にはすでに遅く、私は壁のスイッチを押してしまっていました。
白い光で照らし出される居間。強い光に目が慣れず、私は反射的に目を細めた。テーブルの上には白い着物を着た女が座っていた。
こちら側に背を向けているので顔までは分からなかった。現実感がまるでなく、冷静な思考が出来ませんでした。
テーブルの上に女が正座しているだけでも異常なのに、点灯したばかりの室内灯に明順応しきれていない私の目には、居間の空間全体が奇妙なものに映りました。嫌な汗がどっと吹き出ているのを、体に張り付く衣服で感じていました。
何分、いや何秒そうしていたか分かりませんが、私の指が再びパチンとスイッチを押すと、居間は真っ暗な闇に飲まれ、何も見えなくなりました。
そしてちょうどその時、玄関からガチャリとドアの開く音が。・・・妹か。しかし私の視線は、再び闇に包まれた居間のほうに釘付けで、
テーブルの上にはまだあの女がいるような気がしていました。
その一方で、玄関ではガサ、ガサという靴を脱ぐような音に続いて、木造の床に体重が掛かるときに鳴るギッ、ギッという独特の軋み音が。
私は廊下のほうを振り向くことが出来ませんでした。妹に決まっているはずなのに、そっちのほうを見れない。
いや、何となく分かっていた。
気配というか、勘というか、あやふやなものだったけど、後ろから近付いているのはおそらく妹ではなかった。
形容し難いほどおぞましい感覚が、ギッ、ギッという軋み音とともに強くなっていく気がした。
そして、真っ暗な居間の真ん中、テーブルが置いてある辺りで、カン、カンという金属音が鳴った。
意識が遠のく寸前、私のすぐ後ろにいた人物の手にガッと肩を掴まれたのを確かに感じた。
因みに、その翌日、私は姉の部屋で寝ていたそうです。(姉が起こしてくれました)
姉も妹も、あの真っ暗な居間で私の肩を掴んだということは一切ないと断言しており、しかも、妹が帰ってきた時には、母はまだ帰宅していなかったそうです。
靴だけでなく母の寝室も確認したから絶対に確かだ、との事でした。
妹曰く、母の異常な行動は今でも続いているようです。
「精神科にも相談したし、うちでお祓いだってしてもらった。通報されたこともあるからね」
後で聞いた話だが、妹はすでに姉から詳しい話を聞かされており、父には内緒で色々やっていたらしい。
だがいずれも徒労に終わった。母の異常な行動を見れば、効果がないのは一目瞭然だった。そして、私にはもう分かっていた。あの女のせいだ。
姉の家で鳴った音だって、あの夜の母の恐ろしい姿だって、全部あの女が原因なんだ。そう思うと怒りがこみ上げてくる。でも、怒り以上に、あの女が恐ろしくてたまらない。
なるべく早いうちに父に打ち明け、アパートを引き払うことを検討しています。

表札のとこらへんに関係者以外立入禁止の看板があった

Posted on 4月 20, 2017

おととい友達の家に泊まりに行って、夜散歩してたら友達がそういえばこの辺に人形がかざってある家があったなー小学校の時行った、といっていくことになって行ったら、友達も場所うろおぼえでここだっけなーとか言う感じでいってて、なんか細い道で二人やっと通れるぐらいの道で、周りはぼろい物置ごやとかぼろい家とかで、ちょっと曲がり角みたいなとこを曲がったら、5メートルぐらいの棒の先にピノキオみたいな人形がくくりつけてあって暗くてはっきり見えないんだけど、あと玄関の壁とか庭の木とかにりかちゃん人形みたいのがいっぱいくくりつけてあって、表札のとこらへんに関係者以外立入禁止の看板があった。
電気がついていた。次の日の昼またいってみたらやっぱりピノキオの人形で、庭の木にはセーラームーン人形もあった。
最初夜ピノキオ見たときは、わっ!とひさしぶりにドキッとしたな!場所は神奈川県のJR国府津駅の近く、行ける人はいってみよう!夜に!あと、そういえば行く途中で、犯罪しちゃみたいなかんばんで、「いけないよ!誰かが見てるよ!」っていう看板があって
笑ったな、国府津のへんってお墓がいっぱいあるんだよ~

友達の姉(仮名 H子)がしてくれた話し。本人の体験談とのこと

Posted on 4月 20, 2017

友達の姉(仮名 H子)がしてくれた話し。本人の体験談とのこと。
長いので、分割します。怖くなかったらごめん。
ある夜、友達と三人で市内の高級住宅地にある不気味な廃屋に行くことになった。
そこは小高い山の中腹にあって、廃屋とはいっても実際は超高級な一戸建だ。
ただ噂によると、そこでは以前、家族内での惨殺事件があったらしい。(真偽不明)
懐中電灯を片手に、三人で家に入ってみた。
多分噂を聞きつけて探検しにきた同じような連中のしわざだろう、中は荒れ放題。
怖々広い家の中を歩いていると、かなり妙な間取りだということに気づいた。
「金持ちの考えることだから、わたしたち凡人のセンスじゃ解らないんだろう」
そう思った。キッチンをほぼ中心として、それぞれ部屋や浴室が割り振られている。
が、浴室に入ってみると、反対側(つまり入り口の向かい)にもドアがあり、
その奥には普通の和室があったりした。
問題は、その和室だった。
懐中電灯で照らされたその部屋の四方の壁という壁には、筆字の走り書きで、
お経らしきモノがビッシリと書き込まれていたのだ。
まるで耳無し法一の体に書き込まれた経典のように、殆ど隙間なく。
それにおののいた彼女達は、叫び声を挙げながらその場から逃げようとした。
しかしその時、一人が持っていた懐中電灯が落ちてしまった。
その懐中電灯の明かりの下には、黒ずんだ巨大なシミが広がり、その周りでは
黒点がまるで這うように飛び散っている。
彼女たちは恐怖のあまり混乱し、足がすくんだまま動けなくなった。
すると頭の中で、低くて太い、そして頭を振動させるくらいの声らしきものが
聞こえてくるのだ。『・・・き、聞こえる?』『・・・・○ちゃんも?』
お互いうなづき合う三人。心臓が胸を突き破って出てくる程の恐怖の中
必死で懐中電灯を拾い、そこまで来た経路を引き返し逃げた。走って、走って・・・。
やっとのことで、車までたどり着いた。
そのままそれぞれの家に帰るのが怖かった三人は、H子の自宅に寄ることにした。
なんとか気を紛らしたかった彼女たちは、しきりに今し方見てきたものを
「誰かがいたづらで書いたり、塗ったりしたもの」にしようと、夢中で笑い合った。
そうすることでなんとか気持の高ぶりを押さえた彼女たちは、すっかり朝になって
から、やっとそれぞれの自宅で眠りについた。
H子の部屋は、妹の部屋の隣にある。
H子が眠ってしばらくすると、階下の家族も隣の妹も起き出している様子だった。
なかなか熟睡とまでは行かなかったH子は、家族のざわめく音をなんとなく聞いていた。
それからどれぐらい時間がたったのだろうか。H子は暗くなった部屋の中で目を覚ました。
良く寝た…と伸びのひとつでもしたかったのだが、体が動かない。
目だけは開いたまま、金縛りになってしまっているようだ。
金縛りは初めてではなかったので、怖いとは思いながらも時間が経てば解けると思った。
でも、全く解けて行かない。瞬きもできなくなってきた。鼓動が鼓膜を震わせる。
H子は夕べの出来事を思い出していた。いや、無理矢理にでも脳裏に浮かんでくるのだ。
手足が冷たくなっていくのが、自分でも良く解る。
声を出そうにも、唇は動くのだが舌が喉の奥で縮こまり、息も酷く苦しい。
心臓の音が一度打つたびに、視界にあの部屋で見た筆書きの経が飛び込んでくる。
やめて・・・・やめてやめて!心の中で叫ぶH子。やがて・・・・
『怖い!』彼女の口がそう叫んだ。
いや、確かに叫んだはずだ。口が動いたのが自分では良く解ったのだ。
だけれど声が出ない。なぜ?金縛りが解け懸かったんじゃないの?
そう思ったところで、彼女の耳に聞こえてきたのは
『ごぉ~・・・わぁ~・・・い゙ぃ~・・・・・』。
低くて太くて、頭を振動させるようなあの声。
誰?誰が私が叫んだことを繰り返して言っているの?部屋には私しかいないのに?
彼女はもう一度叫んでみた。
『助けて!!』
でもまた声が出ていない。ほんのちょっとの間を置き聞こえてきたのは、
『だ~・・・ず~・・・げぇ~・・・でぇ~~~』。
違う!何で?私の声じゃないし、どうして後から聞こえてくるの?
『やめて!!』
『や~・・・めぇぇ~~~~・・でぇぇぇぇ~~!!』
次第に大きくなるその声。
H子は、家族に助けを求めようと、再び叫ぼうとした。
『おかーさん!!!』
『おぉ~!とぉ~!!お~~!!ざぁ~~!んんーーーっっ!!!』
最後にその声は『おとうさん』と叫んでいた。
それに気づいたH子は、一瞬のうちに眠りに落ちていた。
H子さんが次に気が付いたときは、夕方だったそうで、
しかも、家族の話によると。明け方に眠ったままその時間まで寝てたって。
つまり、夜などは来るわけもないってことで、
彼女は昼間のうちにその現象と遭遇していたということになる。
H子さんの妹(私の友人)はその日、姉が隣で眠っていた間
自分の部屋で本を読んでいたらしいんだけれど、
隣の部屋が五月蝿いなーと思っていたとのこと。
ドスンドスン聞こえたり、姉が寝ぼけて『助けて』なんて言ってるのを
聞いて、「助けてほしけりゃ起きなさい」って思ってたって。
でも起こさなかったのは、男の人の声も何度か聞こえたから
夜遊びして誰か連れ込んでるのかな?じゃれ合ってるのかな?
って思って、気を使ったそうな。