ウチのねえちゃんとねえちゃんのママ友達二人(AとBにします)が集まった時の話

Posted on 12月 31, 2014

ウチのねえちゃんとねえちゃんのママ友達二人(AとBにします)が集まった時の話
2000年の春くらいだったかな。
ねえちゃんの子供は二人で居間で遊んでた。
Aの子供は双子(両方女の子)で、Bの子供は一人(女の子)全員3歳前くらい
AとBの子供はお風呂に入ってたんだ。3人で。俺はその時、小学校高学年。
お風呂で「ウーッ!」って声がしたから見に行ったらBの子供が双子の一人を叩いてたんだ。
何があったかわからないけど「ダメだよケンカしたら!」って言って水デッポウを渡してまた居間に戻ったんだ。
ねえちゃん達は話が盛り上がってる。時間が経って、お風呂からガランって音が聞こえたから見に行った。双子しかお風呂にいない。
あれBの子供は?って思ってよく見たら、双子がやけに風呂桶から体が出てる。中見たらBの子供を二人で踏んでた。
「バカ!どけ!!!」ってどかして拾いあげてねえちゃん達呼んだ。
救急車も来たけど遅かった。俺は怖くて双子が踏んでて殺したって言えなかった。

学校につきものの怪談ですが、表に出ない怪談もあるのです

Posted on 12月 30, 2014

同じコンテストで入賞した作品。

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 学校につきものの怪談ですが、表に出ない怪談もあるのです。わたしが転勤した学校での話です。美術を教えているわたしは、作家活動として自ら油絵も描いていました。住まいは1LDKの借家のため、家で大きな作品を描くことができず、放課後、いつも学校の美術室に残って作品を描いていました。今度の転勤先でも同じように、美術室の一角で制作を続けていました。
 ところが、妙なことに気づきました。作品の表面に小さい子供の手の跡が付いているのです。油絵というのは乾きが非常に遅く、完全に乾くのに1週間かかることもあります。わたしが知らないうちに誰かが触ったのかと、あまり気にもせず制作を続けました。手の跡も絵の具で上から塗り重ね、消してしまいました。しかし次の日も、子供の手が跡が付いていました。1個どころではなく、作品の表面全体にびっしり付いていたのです。100号という大きさの油絵ですので、単なるいたずらではないなと感じました。その日は作品全体の手の跡を消しながら描いているうちに、作品の山場にさしかかり、9時,10時,11時と、いつしか夜中になってしまっていました。わたしの筆の音しか聞こえないはずの美術室に、いつごろからか、猫の鳴き声とも赤ん坊の声とも言えない泣き声が聞こえるようになりました。窓を開けても猫の姿はなく、赤ん坊も当然いるわけもありません。気にせず制作を続けていると、どうやら美術室の中から聞こえるようなのです。泣き声のする方向を絞っていくと、美術室の後ろにある工芸用の電気釜の中のようです。電気釜は焼き物を作るときに使う、大きめのゴミ箱ぐらいの大きさのものでしたが、故障なのか長い間使った形跡はありません。フタを開けると、本当に生徒がゴミ箱がわりに使っているらしく、丸めた紙くずなどで内部が一杯です。転勤してきたわたしも片づける暇もなく、放置したままだったのです。

 わたしが恐る恐る電気釜に近づいていくと、泣き声がふと止みました。ひょっとして生徒が子猫を閉じこめたのかもしれない、そんないたずらをする生徒がいるなら作品についた手の跡も納得できる。わたしはいたずらの正体を見破るべく、電気釜のフタを開け、紙くずを拾い出しました。美術室に響く紙の音は気持ちのいいものではありませんでした。手に取れるゴミは拾い出しましたが、猫など見あたりません。電気釜の底の方には乾いた砂が溜まっていました。わたしは砂に手を突っ込み、中を探りました。指先に手応えがあるので取り出してみると、それは骨でした。動物のもののような骨、わたしは恐くなり、それ以上手を突っ込むことはできず、美術室を飛び出しました。
 翌日校長にこの出来事を話したところ、「すべてこちらで対応するから他言しないように」と強く言われました。その後聞くところによると、わたしが転勤する前、不倫の末妊娠し退職した美術の女教師がいたということでした。その人は、現在消息不明だということです。
 あの小さな手の跡と赤ん坊の泣き声は、一体何だったのでしょうか?

 出典:Asahi Radio Webio「電脳百物語」
    大阪市北区 藤原光雄さんの体験談

夏休み。友人のAは、町内の子供会の役員をやっていた

Posted on 12月 29, 2014

夏休み。友人のAは、町内の子供会の役員をやっていた。
夏のイベントは、海水浴+バーベキュー。小2の長男を連れて参加した。
彼はバーベキュー係。楽しい昼飯も無事に終わり、彼の役目も終了。ビールを片手に寝転がっていた。
横では、丁度スイカ割が始まって、自分の子供もそれに参加している所。
ウトウトしていた彼の耳に、子供の声援が聞こえてくる。「もっと右!」「違う違う!」
大半の子供が失敗する中、最初の子供が成功した。「やった!」「ギャー!」
目をつぶっている彼の耳に、にぎやかな声。しばらくすると、二個目。「いいぞ!」「ギャー!」
元気である。そして三個目。「そこだ!」「ギャー!」・・・・え、ギャー?
・・・それは声援というより、女性の悲鳴に近い声。それも子供の声には思えない。
彼は気になって目を開けた。そこには楽しそうにしている子供がいるだけ。悲鳴を上げそうな女性の姿は見えない。
不審に思っている所に、最後の四個目のスイカに目がいった。丁度狙いを定めた子供が割る所。
地面に置かれているスイカ。・・・・いや、スイカじゃない!少なくとも彼には、女性の生首に見えた。
子供の棒が振り下ろされる。それは確実に生首にヒットした。・・ぐしゃ!・・「ギャー!」
スイカが、いや首が、顔を歪ませ、悲鳴を発した。つぶれ、二つに割れ、中から赤い液体がほとばしる。
彼は立ち上がり子供達の方へ。『なんて事をするんだ!』そう叫ぼうと、もう一度スイカを見ると、
それはどこも不審な所のない、ただのスイカになっていた。
彼は疲れているのだと、自分に納得させて、ふたたび横になった。そして、子供会も無事に終わった。
そして、それから数日が過ぎた。彼は、あの日の事が気になって、ちょっと調べてみた。
すると、数年前、その海岸で女性が撲殺されていた事がわかった。
致命傷は、頭蓋骨陥没だったらしい。

神様

Posted on 12月 28, 2014

神様

うちの祖母が亡くなる直前の話
祖母は介護が必要で母が介護していたのだけど
介護って相当疲れるらしく だんだん母の方がノイローゼみたいになった

ある日、母が珍しくニコニコしながら帰ってきた
祖母におみやげと言って人形を買ってきた
母が言うには神様が宿る人形らしいが
私はそれを見て気味が悪い人形だと思った
それでも母の機嫌が良いので放っておいた

その日から祖母が夜中になると「ヒーッ、ヒーッ」と
苦しそうな声を出すようになりその度、母が起きて看病していた

ある日、夜中にまた「ヒーッ、ヒーッ」と祖母の苦しそうな声が聞こえ
祖母の部屋を覗いて見ると
祖母の隣で、母が、例の人形の首を閉めてた

それから1ヶ月くらいで祖母は亡くなった
母は今、精神病院にいる

樹海に行く途中にあるポスト、絵葉書を出そうと

Posted on 12月 27, 2014

樹海に行く途中にあるポスト、絵葉書を出そうと
投函口に突っ込んでも何かが詰まっていて入らない
仕方なく投函口にある蓋のような板を手で押さえ中に押し込んだら
ポストの中で冷たい手に腕を掴まれたような気がした
急いで車にもどると彼女から「大丈夫?」
「ポストの速達用の口から誰か覗いてビックリしてクラクション鳴らしたのに全然気が付かないんだもん」と言われた。
急に怖くなり樹海に行く予定だったけど諦めて帰った。

あのポストに出した父と母にあてた最後の絵葉書は行方不明

年取ったおばあさんが、病院で尿の検査をしていた。

Posted on 12月 26, 2014

年取ったおばあさんが、病院で尿の検査をしていた。
尿取りコップに尿を取って、若い看護婦さんに三階の検査室まで持っていってくれるよう頼んだ。
ところが看護婦は、階段の途中でそのコップを落としてしまい、仕方なく自分の尿を取って渡した。
一週間後、尿検査の結果がわかった。

「おめでとうございます。赤ちゃんがお出来になりました!」

医者の言葉に、おばあさんはびっくりして言った。

この間姉夫婦の家からの帰宅の時のこと。

Posted on 12月 25, 2014

371: 本当にあった怖い名無し 2011/12/08(木) 16:55:46 ID:yUwhL6pYO
この間姉夫婦の家からの帰宅の時のこと。
もう終電近い時間で、雨の中を駅から自宅へ向けて帰ってました。
義兄が出張中、姉と赤ちゃんが同時に熱を出したので、看病の帰りで、私はだいぶ疲れていました。
路面は雨に濡れて街頭の光りを反射していましたが、住宅街となってる辺りはもう暗く、静かでした。
妹とぽつぽつしゃべりながら、帰っていたのですが、傘のせいで余り前方を見ていなかった私は、ある場所で、うおっと一歩下がってしまいました。
リクルートスーツ姿のおかっぱの女の子が、四つん這いになって道路に伏せてたのです。雨の中ですが気にせず、何かを探してる感じもせず、ただじっと、蜘蛛のように。
隣を見ると、妹が怪訝な顔でこっちを見ていますが、私が口を開こうとすると、
「いや、いい 聞きたくない」
といいます。
妹には見えてないのです。その不可思議な状況を。それに彼女は怖い話が苦手なのです。
まあ別に関わる気も、出来ることもないので、私はちょっとよけて帰り道を急ぎました。
次の次の角を曲がるときにそっと振り向くと、まだ彼女の足が、アスファルトの上になまめかしい白さを放っていました。
おわり

竹林よ奥

Posted on 12月 24, 2014

小学生の時の記憶。

私の育った町には昔、林があった。

ただ、その林は少し変わっていて、林の中に入って途中まで行くと、ある部分を境に突然竹林に変わっている部分があった。

その竹林の前には有刺鉄線で柵が作られて、中に入る事が出来ないようになっていた。

林の大きさはそれほど大きい物ではなかったが、反対側は調度川のカーブに沿うようになっていて、対岸の川岸から見ると竹林の「背」の部分を見る事が出来た。

川と竹林の間は、人口的なコンクリートの壁で固められていてかなり高さがあるため、人が竹林に入るためには、やはり林に入り有刺鉄線を越えるしかなかった。

私は当時小学生で、友達同士で秘密基地を作ったり、川に沿って探検に出かけたりして遊んでいるような子だった。

ある時、あの竹林の中には何があるのかが話題に上がった。

所詮小学生の男子が考える事と言えば、「一億円が埋まってる」とか「えっちな本が落ちている」という程度だった。

それでも私達はワクワクしながら、想像を膨らませていた。

今までにも。竹林の話しをした事はあったが、「有刺鉄線の向こう側は危ないから入ってはいけない」という暗黙のルールがあった。というか、なんとなくそうやって教えられてきたから守っていただけなのだが、小学生も高学年になってくると、好奇心の方が強くなってくる。

私達は遂に、あの竹林の中を確かめる事にした。

次の日曜日。同じクラスの遊び仲間が集まった。

5人の小学生は、初めて味わう緊張感で落ち着きがなかった。

林の入り口に立った私達は、誰が一番先頭を歩くかで揉めた。

結局ジャンケンで負けた私が先頭を歩くハメになった。

林の中は何度も入った事があるので余裕だった。

枯葉や小枝の混じる土を踏みしめる皆の足音が付いてくる。

「うわーっ!」

一番後ろにいた意気地なしのT君が突然叫んだ!

「何!?」
「ど、どうした!?」

皆もビクッとする。

どうやら虫が首に纏わりついただけらしい。

「ビビらせんなよー!」

T君はブーイングの嵐を浴びる。

そうこうしているうちに、有刺鉄線が近づいてきた。

竹林の方はやけに暗い。

昼真だというのに、高くまで伸びきった竹が、完全に太陽を遮っていた。

風に揺られて笹のこすれる音が耳に飛び込んで来た。

ザワザワザワ

ザワザワ…

「なんか、怖ぇーな…」

私の後ろにいたM君が言った。

「おいおいよせよー!」

「ビビッてんのかー?」

皆強がっているだけなのは分かっていたが、ここまで来たんだし行ってみようという事で、柵の壊れかけた部分を見つけ、有刺鉄線を足で広げた。

まず私が有刺鉄線をくぐった。

皆恐る恐るくぐって来た。

「こっち側」に来ると更に暗く感じた。気のせいかもしれないが、少し寒く感じた。

ザワザワ

ザワザワ…

「何かあったらダッシュで逃げる」というルールを決め、私達は奥へ進んでみる事にした。

まさかこんなに不気味だとは思わなかった。

目の前に広がるのは、竹林の青緑一色。

太いものや細いもの。とても背の高いものや、途中で折れているもの。時々、足元の土から筍が顔を覗かせている。

「何か時間が止まってるみたいだね…」

T君が言った。

確かに、変な表現かもしれないが、ザワザワと止めどなく聞こえてくる笹の音は静かだ。

しばらく進むと、竹の隙間から明るい光が漏れている部分を発見した。

「あそこ!何かありそうだぜ!」

A君が指を指す。

皆でその光の方へ向かった。

そこは青緑の竹の隙間から、黄色い光が漏れていて、とても不思議な光景に見えた。

何故黄色い光が漏れていたかは直ぐに分かった。

竹の隙間を抜けると、半径5m程の広さの空間があり、良く見るとその部分だけ竹が全部枯れて黄色くなっていた。

この枯れた笹に太陽の光が反射して黄色くみえていたのだ。

その「広場」には、巨大なアリ地獄のようなすり鉢状の穴が二つと、随分古い廃車が一台置いてあった。

「何だこれ?」

皆はその光景を少しじっと見つめていた。

するとM君が、「おい、この穴面白くね?」

と言って、すり鉢状の穴に駆け足で近づいて行った。

皆が後に付いて行って、中を覗きこむと、そこには何もなく、調度私達小学生の身長と同じくらいの深さの穴があるだけだった。

「何だ、何もねーじゃん!」

そう言うとM君は、穴の斜面をぐるぐると回りながら穴の底まで走って行った。

皆がそれぞれ騒ぎ出し、廃車を蹴飛ばしたり、穴の中でふざけあったりしていると、それは突然起こった。

「何やってんだ!コラァッ!」

突然大人に怒鳴られた小学生達は、一目散にダッシュで逃げ出した。

私は逃げ出す直前、はっきりと見てしまった。

「広場」の反対側に腕を組み立っていたその男は、物凄い形相で睨みを利かせ、まるで頑固親父が近所の悪ガキを追い払うような態度だった。何故か怒鳴った男の顔はぼやけて良く見えなかったが、古びた茶色い着物を着ている事ははっきりと目に焼きついた。

皆死に物狂いで逃げた。途中で泣き出すT君につられて、涙が出てきた。

とにかくあの場所を離れたかった。

なんとか林の入り口まで辿り付いた時には、皆汗だくで、息を切らせて、今にも呼吸困難になるんじゃないかという状態だった。

そんな中

私は震えが止まらなかった。

あの一瞬の出来事の間に、恐ろしい事を幾つも記憶していたからだ。

男に怒鳴られる直前、廃車のトランクの隙間から微かに見えたのは、トランクの中一面にびっしりと御札が張り付いていた事。

男を見た時、背後にうっすらと廃屋のような物があった事。しかし、完全に倒壊していて人が住める状態では無かった事。

そして、ぼやけて見えなかったはずの男の顔を、何故かはっきりと覚えている事。

男の目は一つしか無かった。顔の中央に一つ。

その時の事を何故先生や親に言わなかったのか、今でも後悔している。

皆さんは「ウォーリーをさがせ!」という本をご存じだろうか?

Posted on 12月 23, 2014

皆さんは「ウォーリーをさがせ!」という本をご存じだろうか?大勢の群衆が描かれているページの中から、赤と白の横じま模様のシャツに眼鏡をかけた「ウォーリー」を見つけ出して楽しむ、1990年頃に世界中で大ブームを巻き起こした絵本のことである。日本でも大人気となったこの本、子供のころに実際に遊ばれたという方も非常に多いことであろう。しかし、この「ウォーリーをさがせ!」にはある恐ろしい秘密が隠されているのだ。

今から30年ほど前のイギリスで、8才になる男の子が行方不明となり、それから一ヵ月後に無残な遺体として発見されるという痛ましい事件が起こった。その後、警察の必死の捜査により、一人の男が犯人として逮捕された。男の名前は「ジム・ジャック」。過去に、20名以上もの子供達を殺害していた精神異常者であった。裁判の結果、「ジム」には責任能力が無いと判断され、警察の精神病院に収容されることとなった。しかしそれから数年後、「ジム」は病院から脱走してしまう。再び指名手配されたものの、現在もその行方は分からぬままである。
それからしばらく経ち、ある一冊の絵本が出版された。それには、脱走した「ジム」を一早く捜し出し、十分に注意をしなければならないという警告が込められている。そう、その絵本こそが後に世界中でブームを巻き起こした「ウォーリーをさがせ!」であったのだ。「ウォーリー」は脱走した「ジム」のことを表し、チャームポイントである赤と白の横じま模様のシャツは、当時イギリスで精神異常の囚人に着せていた赤い囚人服そのものなのだ。

本当に豪胆だったのかもしれない

Posted on 12月 23, 2014

 五年ほど前に働いていた職場で、後輩に大場という男がいた。
 彼は不潔さを豪胆である証拠と思っていたようで、爪楊枝で歯垢をそぎ落とすおぞましい場面や、耳垢を指でほじくって匂いを嗅ぐという凄まじい場面を、やや誇らしげに周囲に見せつけていた。
 冬になると彼のジャケットの肩には雪のようにフケが降り積もっていた。
 もちろんフケが出ることは乾燥と関係があるので一概に不潔とは言えない。
 だが身だしなみというものがあるので一応注意すると、大場は「わかりました!」と親指を突き出してきた。いちいち仕草が大きい男だった。
 翌日からは確かにフケの痕跡は見られない。
 だが聞かされた解決策は眉をひそめるものだった。
「風呂に入るじゃないスか。その時に体を沈めて髪を突っ込むんです。ちょうど目と鼻と口だけが出るような格好で、髪は全部お湯に浸して。そんでがーっと両手で髪を掻き毟ると気分がすうっとするんスよ」
「……お前の後に入る人は? 実家暮らしだろ」
 はっはっは! と大場は感情がろくに篭っていない笑いで返答した。
 無論、女性社員たちからは蛇蝎の如く嫌われていた。
 
 週明け、ゲッソリした顔で大場は出社してきた。
 昼休み時に事情を聞くと、大場はカレーをほお張りながら答えた・
「昨日もいつも通り、風呂場でフケ落とししてたんスよ。顔だけ出してぷかぷか湯船に浮かんで、あぁいい気分だなぁって髪をボリボリやってました。ふわーっと湯に汚れが溶け落ちていく感覚が気持ちよくって寝ちゃいそうでした」
「その話は飯中じゃないと駄目なの?」
「ははっ」
 大場は私の抗議に取り合わなかった。
「熱くなってきたからもう十分かなって身体起こそうとした時、髪をがっと掴まれたんスよ」
 大場は抵抗しようとしたが浴槽内では腕が回せず、背中に手を回せない。
 ふんばる場所もなかった。
 ぐるん、と首が後ろに反った。
 鼻も口も湯船に沈み、生ぬるい湯が喉に流れ込んできたそうだ。
「溺死って風呂場でもできるんスねぇ」
 もがきながら大量に湯を飲んだ。髪はがっしり掴まれたまま放されない。
 死が迫ってくることを大場は実感したという。
(死ぬ)
 その時、湯船から引っ張りあげられた。胃に入った湯が猛烈な勢いで口から飛び出した。
「かーちゃんが助けてくれました」
 風呂場でふざけていたと思った大場の母親は、呆れつつも叱りつけたという。
「いい年こいて何やってんだいって。けど俺は嬉しかったスね。げぼげぼ吐きながら『やっぱかーちゃんすげぇよ、ありがとうありがとう』とすげー久々に感謝しました」
 説教を聞きながら大場は不思議に思い浴槽を覗き込んだ。
 底の方に、大量の爪が溜まっていたという。

「ほんと、洒落になんなかったスよ」
 大場はそう話しながら平然とカレーを食べ終えていた。
 今考えると、大場は本当に豪胆だったのかもしれない。
 ただ神経が通っていないだけかもしれないが。