Aさんというある女性が体験した話だ。

Posted on 9月 9, 2017

Aさんというある女性が体験した話だ。
彼女は幼い頃、夜中に一人で起きてオシッコをする癖があった。ただしトイレではなく、当時庭にあった井戸の周りにオシッコをしてしまい、母親によく叱られたという。
トイレと井戸は反対方向に位置しており、彼女の部屋からは井戸の方が近かった。そのため、ついつい近い方の井戸でオシッコをする癖がついていたのだ。
その日も夜中、Aさんはオシッコがしたくなり井戸に行った。オシッコをしようとパンツを下ろしたところで、頭の上の方で風に擦れる微かな音が聞こえた。
なんだろう?とゆっくり顔を上げると、真っ白な着物が吊り下がっている。なんだ洗濯物か、と思いつつオシッコをした。
用を足してパンツを上げたところで、また風に擦れる微かな音が聞こえた。気になって顔を上げると、真っ白な着物の下に2本の白い足が突き出ていた。
そして、暗闇の中で真っ白な着物の袖から白い手が出ているのを見つけた。さらに目線は上の方へと上がっていき、真っ白な着物の首から顔のあたりに向けた。
しかし、暗くて顔が見えない。顔は見えないが、目線を外すことは出来なかった。向こうも自分のことを見ている気がしたのだ。
その時、微かに風が吹いた。暗くて見えない顔のまわりで髪の毛が風に揺れていた。
そしてその奥に赤く光る二つの眼と、目が合ってしまったのだ。
翌朝、Aさんは母の叱る声で目が覚めた。昨晩、あのまま井戸の横で眠ってしまったらしい。
井戸の上の方を見ても白い着物は無かった。なんだ夢か、とAさんは安心した。
その日、Aさんが小学校から帰って来ると、母親と祖母が井戸で蛇を見つけて大騒ぎをしていた。
Aさんが井戸に落ちては危ないと心配した母親が、古くなったフタを交換しようとして持ち上げたところ、井戸の中に蛇を見つけたらしい。
Aさんは蛇など見たくもなかったので、さっさと外へ遊びに行った。結局、父親が帰宅してから蛇を井戸から引き上げ、近くの草むらに逃がしたという。
その晩、母親が夕食の準備をしながら「今日は本当にびっくりした」を連発。蛇の話だとすぐにわかったAさんは、聞きたくもないのでテレビを見ていた。
しかし、母親の次の言葉にAさんは固まってしまったという。
「白い蛇なんてはじめて見たわ。目が真っ赤で気持ち悪かったね、お父さん。」
その日からAさんは、きちんとトイレに行くようになったのだ。


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